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Google、老化と病気に取り組むバイオテクノロジー企業「Calico」設立 Apple会長がCEOに

» 2013年09月19日 07時57分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは9月18日(現地時間)、老化と病気に取り組むヘルスケア関連の新企業「Calico」の設立を発表した。CEOには、米Appleの会長で、遺伝子工学企業の米Genentechおよびスイスの製薬会社Hoffmann-La Rocheの会長も務めるアーサー(アート)・D・レビンソン氏(63)を迎える。

 ラリー・ペイジCEOは発表文で、「病気と老化は家族すべてに影響を与える。ヘルスケアとバイオテクノロジーに関するムーンショット的な考察で、数百万人を延命することができると信じている」と語った。

 同氏は個人のGoogle+では、このプロジェクトがGoogleの他の事業とあまりにもかけ離れていることを認めながら、このプロジェクトへの投資は“非常に少なく”、ヘルスケア部門におけるテクノロジーの可能性は非常に大きいと説明している。

 同社は共同創業者のサーゲイ・ブリン氏が率いる「Google X」部門で、自動運転カーや気球式インターネット網など、さまざまな“ムーンショット(途方もない、の意)”プロジェクトに取り組んでいる。

 ブリン氏は2008年に、自身がパーキンソン病を発症する可能性を持っていることを発表している。また、Googleはゲノム企業の23andMeに出資している。

 art アート・レビンソン氏

 レビンソン氏は「私は人生の多くを科学技術に捧げ、人間の健康増進を目標としてきた。ラリー(ペイジ氏)の桁外れの取り組みに触発された」と語った。同氏はワシントン大学で理学士号を取得、プリンストン大学で生化学の博士号を取得し、1980年にGenentechに入社した。Appleの会長には2011年11月に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏の後を継いで就任した。

 レビンソン氏はGoogle+への投稿で、Calicoという社名は「California Life Company」に由来するとしている。calicoには三毛猫という意味もあるため、「猫を連想した人もいるかもしれない。“猫に九生あり”ということわざは好きだ」とも書いている。

 Appleのティム・クックCEOも「あまりにも多くの友人や家族が早世する。アート(レビンソン氏)はこれはあるべきことではないと強く考える人だ。Calicoの(老化と病気に取り組むという)ミッションを率いるのに最適な人物であり、成果が楽しみだ」と語った。

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