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車の周囲360度を運転中にゆがみなく3D表示 接触危険度も色分け 富士通研が新技術

» 2013年10月09日 20時18分 公開
[ITmedia]
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 富士通研究所は10月9日、自動車を運転中に、車の周囲360度にある物体や人などの立体物をゆがみなく3D表示し、接触のリスクを色分けして表現する「車載向け3次元映像合成技術」を世界で初めて開発したと発表した。

 前後左右4台の車載カメラを使い、車外のさまざまな視点から車の周囲を見ているような映像を再現する従来技術に加え、3次元レーザーレーダーを複数併用した。

 従来技術では、4個のカメラ映像を、すり鉢のような形の仮想立体曲面に投影して合成していたため、映像がゆがんで見えていた。新技術ではレーザーレーダーで計測した距離情報を合成して立体物に応じた投影面を生成することで、ゆがみをなくした。

 立体物の裏の死角も、カメラごとに判別。死角部分を撮影しているほかのカメラの映像を選択的に投影することで、一組のレーザーとカメラでは実現できなかったより自然な映像を合成できるとしている。

 ぶつかりそうな人や物に、赤や黄色の「危険色」を重ねて3D映像上に表示する技術も開発。レーザーレーダーの測距情報を基にしているため、昼夜問わず測距でき、最短2センチまでの距離に対応した。

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 新技術は、10月15日から開かれる「ITS世界会議東京2013」(東京ビッグサイト)の富士通ブースに展示する。今後は、同技術を使った運転支援システムの製品化を目指し、処理の軽量化を進めていく。

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