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» 2013年10月17日 20時14分 UPDATE

集英社も4.4%減──出版大手10社中7社が減収、市場縮小止まらず 帝国データバンク調査

大手出版社の2012年度売上高は、10社中7社が減収。出版取次や書店でも減収傾向に歯止めがかかっておらず、「中小出版社を中心に、事業継続を断念するケースが今後も増加していく」と帝国データバンクはみている。

[ITmedia]

 帝国データバンクが10月17日に発表した出版業界の決算調査によると、大手出版社の2012年度売上高は、10社中7社が減収だった。出版取次や書店でも減収傾向に歯止めがかかっておらず、同社は、「中小出版社を中心に、事業継続を断念するケースが今後も増加していく」とみている。

画像 出版社の売上高ランキング

 出版社の売上高トップは集英社(1261億円)だが前期比では4.4%減。このほか、講談社(2位)、小学館(3位)、角川書店(4位)、日経BP(5位)、宝島社(6位)、東京書籍(8位)が減収で、講談社と小学館、日経BPの減収は2期連続だ。

 書籍は売れる本と売れない本が2極化しており、雑誌は週刊誌・月刊誌が長期低迷しているため、販売減に歯止めがかかっていないという。文藝春秋(7位)、光文社(9位)、ぎょうせい(10位)は増収だった。

 損益は上位10社すべてが黒字で、うち9社が2期連続黒字。ただ、社有不動産の売却や赤字部門の縮小・撤退などリストラを進めることで一定の収益を確保した出版社が多いという。

取次も減収 小規模書店が苦境に

 取次業者の売上高も、上位8社中6社が減収。うちトーハン、大阪屋など4社が2期連続の減収となった。上位30社で見ても、全体の4割にあたる12社が2期連続減収となっており、売り上げ規模の大きい業者の減収傾向が目立つ。

画像 取次業者の売上高ランキング

 損益は、売り上げ上位8社中4社が2期連続で黒字を確保。上位30社のうち7割が黒字となっており、在庫管理の徹底や物流の効率化などによるコスト削減が奏功したとみている。

 書店は、トップの紀伊國屋書店は2期連続の減収だったが、2位のブックオフコーポレーション、3位のジュンク堂書店、4位の有隣堂、5位の未来屋書店は増収。次ぐ6位〜10位までは減収となっている。31位以下では2期連続減収の構成比が46.5%にのぼり、「小規模の書店経営業者ほど売上減に歯止めがかかっていない」とみる。

画像 書店の売上高ランキング

 損益状況をみると、売り上げ上位10社中7社が2期連続黒字となるなど、一定の利益水準は確保している。ただ、売り上げ31位以下では、2期連続赤字の構成比が16.6%と、上位30社(10.0%)を大きく上回るなど、小規模書店は損益面でも厳しい状況だ。

中小出版社の倒産、増加へ

 帝国データバンクは「出版社、出版取次、書店という出版流通の“川上”から“川下”まで減収傾向に歯止めがかかっていない」と分析。電子書籍への対応も売り上げへの寄与は限定的で、むしろ紙媒体の一部需要を奪う負の側面が大きいとみる。

 2013年1〜9月の出版業者の倒産は27件(前年同期25件)と2年ぶりの増加に転じ、その大半が、電子書籍への対応余力が乏しい負債5000万円未満の零細業者だったという。同社は、「厳しい業界環境が続く中、これら中小出版社を中心に事業継続を断念するケースが今後も増加していく」とみている。

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