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KADOKAWA漫画200作品、無料読み放題「ComicWalker」スタート 名作フルカラー化、海外向けに多言語化

» 2014年03月03日 20時09分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 KADOKAWAは3月3日、PCやスマホから約200作品を無料で読めるWebコミックサービス「ComicWalker」を3月22日に始めると発表した。英語・中国語にも対応し、海外読者にもアプローチしていく。

photo PC向けWebサイト。スマホ向けにはアプリで提供

 最大の特徴はタイトル数の多さ。「僕だけがいない街」「のんのんびより」「ノブナガ・ザ・フール」「となりの関くん」など、KADOKAWAが発行する23の漫画雑誌から、過去の名作や現在連載中の最新作など150作をピックアップ。オリジナル漫画50作と共に計200作品を掲載する。

 過去の名作は最新の技術でフルカラー化し、往年のファンにも新たな魅力を訴求。第1弾として「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」「新世紀エヴァンゲリオン」の2作から始める。「ページを拡大し原画の美麗さを楽しんでもらえるのはスマートデバイスならでは。生誕35周年を迎え、“よみがえれ、ガンダム!”ですね」(古林英明コミックウォーカー統括部長)

photo ゲストで登場したアムロ役の声優・古谷徹さん。カラーでじっくり堪能しているのは英語版

 海外の読者にいち早く届け、海賊版の抑止にもつなげるため、英語・中国語(繁体字)にも対応する。クリック1つで作中のセリフの言語を切り替えられ、トップメニューもそれぞれの言語で用意。海外のユーザーが最新の作品をストレスなく楽しめる環境を整える。翻訳作品は40作品からスタートし、順次拡大していく予定。

 膨大な数の作品を個人の好みに応じて楽しんでもらえるよう、ユーザー自身が“編集長”として、ジャンルや世代を問わずお気に入り作品の更新情報をまとめて確認できる「マイマガジン機能」も搭載する。閲覧履歴に応じておすすめ作品のサジェストも行う。

 「艦これ」を題材にしたコミック・イラスト作品を募集するコンテストや「ComicWalker新人大賞」も開催し、新たなクリエイターの発掘・育成にも積極的に取り組んでいく。

 作品は全て無料で提供。新コミックレーベルを立ち上げ、オリジナル作品を紙の書籍と電子書籍を同時に制作・販売するほか、スペシャルコンテンツを閲覧できる有料サービスの検討などで収益を上げる考えだ。

 井上伸一郎専務は「漫画雑誌の発行部数は最盛期の3分の1程度まで落ち込んでおり、このままでは日本の漫画文化自体が衰退するのではという危機感を感じている。目標は月間1億PV、100万UUをコンスタントに達成できる規模。100万部の雑誌を新たに創刊する気持ちで新生KADOKAWAが一体となって取り組む」と意気込む。

photo 艦これ「赤城」役の声優・藤田咲さん、井上伸一郎専務、古林英明コミックウォーカー統括部長、古谷徹さん(左から)

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