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» 2014年04月08日 09時00分 UPDATE

連載・データサイエンティストの視点:「コンビニチキンNo.1」の栄冠はどれに? 購買データで読み解く“レジ前の攻防戦”

データ分析の専門家・データサイエンティストが身近な話題をテーマに分析結果を紹介していく本企画。第4回は、コンビニのレジ前を飾るチキンの勝敗について。

[平野健児(ReceReco),ITmedia]

 「ご一緒にチキンはいかがですか?」

 皆さんは、コンビニエンスストアでチキンの売り込みを耳にしたことはありませんか? 私は深夜の小腹の空いた時なんかにこれを耳にすると、ついついショーケースに目を奪われてしまいます。

 コンビニチキンのショーケースを眺めてみると、ベースの味の向上からさまざまなバリエーションの提供まで、各社の企業努力と切磋琢磨を感じます。そこで今回はそんな“レジ前の最終攻防戦”ことコンビニチキンについて、無料家計簿アプリ「ReceReco」(レシレコ)の購買データ分析を通じて考察してみたいと思います。

「ReceReco」とは?

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スマートフォンでレシート写真を撮るだけで家計簿を作れる無料iPhone/Androidアプリ。リリース後1年間でダウンロード数は130万、登録レシート枚数は2200万枚、登録された支出総額は500億円を超えている(2014年1月時点)。なお、登録されたレシートデータを個人が特定されない範囲で二次利用することは全ユーザーに事前許諾済み。

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コンビニ絶対王者に挑む「からあげクン」&「ファミチキ」

 まず、この国で最も食べられているコンビニチキンは何なのかを見てみましょう。

photo 販売数シェアトップ10

 今回の調査によると、販売数シェア1位は「からあげ棒」(セブン-イレブン)でした。続いて「からあげクン」「Lチキ」(ローソン)、「ファミチキ」「スパイシーチキン」(ファミリーマート)と、各チェーンの主力商品が続きます。このあたりはまさしく、コンビニ全体のシェア争いの縮図といったところですね。

 しかしコンビニチキンの調査では、単純な販売数の勝負になると店舗数が多いチェーンが有利になってしまいます。そこで今回は、商品ごとの販売数を店舗数で割った「店舗平均販売指数」を算出し、1店舗当たりの販売数で決着をつけてみようと思います。

photo 店舗平均販売指数トップ10

 販売数トップだった「からあげ棒」を基準値「1」に設定して店舗当たりの販売数ランキングを作ってみると、「からあげクン」(1.57)が1位、「ファミチキ」(1.28)が2位に浮上しました。まさにローソンとファミリーマートが誇るチキンの面目躍如といったところでしょうか。一方、からあげ棒も4位と好位置を依然キープしており、さすがは絶対王者セブン-イレブン、局地戦でもそつのない攻めを見せています。

「ファミチキ」にかぶりつく男、「からあげクン」を放り込む女

 次に、店舗平均販売指数を男女別で見てみましょう。すると面白い戦況が見えてきました。

photo 男女別店舗平均販売指数トップ10

 男性では「ファミチキ」「Lチキ」と食べ応えのあるチキンが1〜2位を飾ったのに対し、女性では「からあげクン」が2.04と圧倒的有利な戦いを進めています。さらに、男性10位に「フライドチキン」(サークルKサンクス)、女性6位に「クランキーチキン」(ミニストップ)がランクインしていることから、「男性はがっつりかぶりつけるタイプを好み、女性は一口サイズの食べやすいタイプを好む」といった傾向が見えてきました。

 ちなみに、またもや男性5位/女性4位と手堅く戦っている「からあげ棒」は、上記の傾向を見越して「一口サイズの唐揚げを串に刺す」という両面アプローチを取っているのしょうか? そうだとしたらかなりハイレベルな戦術の攻防戦ですね。

この国でチキンといえば? 進撃の巨鶏「KFC」VS.コンビニ連合軍

 最後にせっかくなので、少し強引ではありますが「チキン」を語るなら避けて通れないチキン帝国「ケンタッキーフライドチキン」にコンビニ連合軍をぶつけてみたいと思います。戦いの舞台は、おそらく日本でチキンが一番売れる日であろうクリスマス(12月24〜25日)に限定。先ほどと同じく1店舗当たりのチキン売上金額を比較してみました。

photo ケンタッキーVS.コンビニ連合軍

 すると結果は……。ケンタッキーが見事、コンビニ連合軍の3.24倍を記録して大勝を収めました。やはりチキン最強帝国、ブランドの重みを感じる貫禄の勝利でした。

photo 12月24〜25日のコンビニチキン店舗平均販売指数

 ただ、コンビニ連合軍もクリスマスの店舗平均販売指数を見てみると、通常時と異なり「黄金チキン」(ローソン)が4.51、「プレミアムチキン」(ファミリーマート)が4.15と大きく数値を伸ばし、「極旨フライドチキン」(ミニストップ)に至っては全体3位にランクインする快挙を遂げています。これら“骨付きチキン”勢のクリスマスにおける躍進は、コンビニチキンの存在感が増している一例とも言え、いつか最強帝国のケンタッキーを脅かすチキン界のヒーローが誕生するかもしれません(笑)。


 今回のコンビニチキン対決もお楽しみいただけましたでしょうか。

 最近はコンビニに行くと、チキンに限らずプライベートブランド商品が頻繁に誕生していて楽しいです。ぜひ今後も「メーカーブランドより安くできる」というだけではなく、チキンのようにいろいろな付加価値が付いたプライベートブランド商品を開発・改良し続けてもらい、利用者としてその進化を楽しみたいと思った分析でした。

調査概要

  • 調査対象期間:2013年1月31日〜2014年2月28日
  • 調査対象地域:全国
  • 調査対象:家計簿アプリReceReco(レシレコ)登録レシート
  • 調査対象レシート数:17万6696
  • データ分析:原真一郎(データサイエンティスト)、岩橋孝典(データサイエンティスト)、古谷野良太(データサイエンティスト)

筆者紹介

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平野健児

1980年京都府生まれ。神戸大学文学部卒業後、サイバーエージェントを経てWeb関連の新規事業支援で独立。WebサイトM&Aの「サイトストック」など多数の新規事業を立ち上げる。現在はブレインパッドにて無料家計簿アプリ「ReceReco」(レシレコ)の立ち上げ、運営を手掛ける。


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