柴犬をマスコットに使った仮想通貨「Dogecoin」の保管サービスがサイバー攻撃を受け、ユーザーの口座から大量のDogecoinが盗まれる事件が起きた。ビットコインやDogecoinといった仮想通貨への投資については米当局も注意を呼び掛けている。
被害に遭ったのはDogecoinの保管に使われているオンラインウォレットサービス「Doge Vault」。Webサイトに掲載された告知によると、5月11日に攻撃を受けてサービス障害が発生し、ウォレットの資金が改ざんされた。管理者が気づいてサービスを停止した時には既に、サービスをホスティングしていた仮想マシンの全データが破壊されていたという。
同社はオフサイトのバックアップからウォレットデータの復旧を試みるとともに、攻撃手段や侵入経路などについて調査を進めているとしている。
被害額は公表されていないが、報道によれば、多くのユーザーが自分の口座から大量のDogecoinを盗まれたと報告しているという。ただ、Dogecoinはビットコインに比べると価値が大幅に低いことから、膨大な額の被害が出るような状況にはなっていないとみられる。
仮想通貨を巡っては、ビットコイン取引所のMt.Goxに対するサイバー攻撃で危険性が浮き彫りになった。米証券取引委員会(SEC)は5月7日、仮想通貨関連の投資について改めて注意を喚起している。
SECによれば、「ビットコイン投資のチャンス」とうたった広告で投資家をおびき寄せるネズミ講の手口が摘発されるなど、仮想通貨が投資詐欺やハイリスク投資の宣伝に使われるケースも増えているという。
仮想通貨は政府の規制や保険の対象にならず、変動も激しいうえ、ハッキングやマルウェアの被害に遭って盗まれる恐れもあるとSECは警告している。
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