ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

ドワンゴ・KADOKAWA統合 電子書籍事業や統合プラットフォームの行方は「これから考える」

» 2014年09月30日 18時42分 公開
[ITmedia]
画像 川上会長(左)と佐藤相談役

 ドワンゴとKADOKAWAが10月1日に統合し、統合持ち株会社KADOKAWA・DWANGOが誕生する。9月30日、ドワンゴの川上量生会長とKADOKAWAの佐藤辰男相談役が「ニコファーレ」(東京・六本木)で記者会見して意気込みを述べた。電子書籍事業の今後や新プラットフォーム構築などについては「これから考える」(川上会長)と話すにとどめた。

 「うまく行くか行かないかは、結果を見てくださいとしか言えない」――会見の冒頭に流れたプロモーションビデオで川上会長はこう言いつつも、「合併してすぐ結果を出すつもり」とも。まずはKADOKAWAの書籍とニコニコ動画/生放送のコンテンツを連携させたキャンペーン「ニコニコカドカワ祭り」を全国の書店などで実施する。

 ドワンゴは最近、定番の読書管理サイト「読書メーター」や電子書籍ビューワー「i文庫」を相次いで買収するなど、書籍/電子書籍関連の動きを加速させているが、KADOKAWAとの統合後の電子書籍事業について、川上会長は「とりあえずは今のままで、これからゆっくり考える」と話すにとどめた。

 「電撃」「ファミ通」「4Gamers.net」をニコニコ動画と連携させる新会社「リインフォース」を3月に設立しており、川上会長も取締役に就任しているが、新会社から目立った動きはない。川上会長は「どうせやるなら新しいものを作らないとつまらない。面白いものを作ろうと思っているので時間がかかる」と説明する。

 統合発表時、KADOKAWAの角川歴彦会長は、両社で「オールジャパンプラットフォーム」を構築すると構想を語っていた。その具体像について問われた川上会長は「これから考える」と話すのみ。「統合プラットフォームを作る前提ではない。可能性を含めてこれから検討する」という。

 期待される統合効果について佐藤相談役は、ポータルやゲームなど事業が重なる部分の強化や、KADOKAWAの編集力のドワンゴへの提供、ドワンゴの技術力のKADOKAWAへの提供などをあげる。川上会長は「KADOKAWAもドワンゴも来年、隠し球を持っていてそれぞれ頑張る。合併とはあまり関係ないと思うが、結果は出ると思う」と話した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.