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» 2014年10月31日 14時34分 UPDATE

中国当局のネット締め付けが加速する2014年──香港デモきっかけにさらに強化 (1/2)

学生や市民が民主化を求めて続いている香港デモ。中国本土では中国政府に都合のいい報道ばかりが流れ、中国のネットユーザーが香港の実情を知ることは難しいという。今年は中国政府がネット規制を強めている──山谷氏による現地からのリポート。

[山谷剛史,ITmedia]

 「香港から微信(WeChat)の朋友圏(グループチャット)に写真がアップできないんだけどどういうこと?」──こんな疑問が、香港で続く大規模デモ以降、中国のQ&A掲示板「百度知道」にいくつも投稿されている。そのうちのいくつかには「検閲されたんじゃない?」という回答が寄せられている。

 香港デモをきっかけに、中国ではInstagramが利用できなくなっている。7月には「中国外の人間と文字画像動画をやりとりする外国産(外国サーバ利用の)SNSをアプリストアで配信することを禁止」し、中国向けの複数の中国産アプリストアからInstagramが消えていた。そして9月28日以降、iOS版も含め、Instagramの最新の画像は見られなくなった。

 ただ、「百度」(Baidu)の人気がGoogleを超え、動画サイト「優酷」(Youku)や「土豆」(Tudou)人気はYouTubeを超えているなど、多くの中国ネットユーザーから外国サービスが受け入れられなくなって久しい今、中国でInstagramが使えなくなったところで、その反応は小さいというのが実情ではある。

 だが、今最もホットな中国産SNSで露骨な検閲が感じられれば話は別だ。6億人超のインターネットユーザーに、「表現の自由が政府によって制限されている」ことが分かるからだ。

photo 中国に都合のいい「反香港デモ」の動きばかりが報じられる

香港デモへの反応に検閲の“成果”

 報道されているように、香港のデモは中国の国慶節(10月1日〜)の連休と重なったため、この時期の中国本土から香港への観光客は激減した。デモがあること自体は報じられている上、また中国観光局からも「香港ツアーは控えるように」という通達があったことも原因だ。

 「中国」と「民主化」がキーワードだけに、中国において香港のデモがデモ主催者側的立場で報じられることはない。ただただ「『占中(セントラルでデモ)』はダメ、反対意見が多い、違法」といった言葉ばかりがニュースに並び、ネットユーザーを含む一般市民が香港の実情を正しく知ることは難しい。

photo サクラか本音か、香港デモの中国人の反応は冷ややか

 こうした前提で、それでも香港に旅行に行った中国人が、香港でデモを間近で見たところでその反応は少ない。検閲で削除された新浪微博のつぶやきをも確認できる「自由微博」のサイトで、香港に関するつぶやきを探しても、デモの内容について考察したつぶやきは極めて少ない。また百度からの香港についての検索も、9月末に検索数が多かった日があったものの、その後すぐに平常時に戻っている。

photo 中国大陸では香港デモへの関心は9月29日をピークに薄れ、やがて10月以降官製報道が増えていく
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