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彗星着陸機フィラエ、バッテリー切れで休眠モードに

» 2014年11月15日 18時33分 公開
[ITmedia]

 欧州宇宙機関(ESA)は11月15日、彗星着陸を果たした着陸機「フィラエ」がバッテリー切れで休眠状態(アイドルモード)に入ったと発表した。太陽電池による充電ができれば再起動できる可能性があるという。地表を掘って得たサンプルの成分などを調べる初期観測には成功し、そのデータは地球に送信されており、ESAは「大きな科学的成功を収めた」としている。

 フィラエはチュリモフ・ゲラシメンコ彗星への着陸の際にもりを打ち込んで固定するはずだったが、もりは不発で、最初の着陸時からバウンドして別の地点に落ち着いた。

 計画ではメインバッテリーで集中的に観測を行い、その後セカンダリーバッテリーを太陽電池パネルで充電しながら観測を続行する予定だったが、現在の着陸地は同彗星の1日に当たる12.4時間のうち1.5時間しか太陽光が当たらず、当初予定地の7時間に比べ大幅に短い。初期観測で得られたデータはロゼッタ経由で地球に送られたが、バッテリーの電圧低下のため観測機器をシャットダウンした。

 フィラエを回転させてより太陽光を受けられるようにする指令を出しており、充電によって観測再開を目指している。

photo フィラエの着陸点。複数の写真にフィラエのイラストを重ねた=ESA/Rosetta/Philae/CIVA

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