米Facebookは5月12日(現地時間)、メディアがFacebook内でオリジナルのインタラクティブなコンテンツを作成・公開できる新サービス「Instant Articles」を発表した。The New York TimesやBuzzFeed、National Geographicなど、9社が立ち上げパートナーとして13日からコンテンツの公開を開始する。
まずは、iPhone版公式Facebookアプリでのみ閲覧できる(Android版にも対応する見込み)。ユーザーはパートナーメディアの記事をFacebookのニュースフィードから離れることなく、動画の再生も含めて最後まで読むことができる。
同社はこのサービスの立ち上げに当たって、「Facebookでは、特にモバイルアプリではユーザーが多くの記事をシェアしているが、現状ではこうした記事の読み込みに平均8秒も掛かっている。Instant Articlesはこれを10倍速くする」と説明している。
パートナーメディアは自社のツールを使って記事を作成し、それをFacebookのサーバにアップロードする。それが自動的にFacebookアプリ向けに変換されるという。Instant Articlesには広告の掲載ができ、広告収入の100%がメディアのものになる(広告ネットワークを使う場合は通常通り70%がメディア分)。
メディアはFacebookのためのオリジナル記事を用意する必要はなく、自社サイトに記事を掲載するついでにInstant ArticlesとしてFacebookのサーバにも同じ記事をアップロードすればいい(Facebookの目的は、モバイルアプリでより速くコンテンツを読み込むことにあるので)。
紹介動画(記事末に転載)を見ると、同社が昨年1月に独立アプリとしてリリースした「Paper」に似ており、動画や画像が大きく表示され、ズームや端末を傾けることで表示範囲を変える機能などもあるようだ。
Instant ArticlesはFacebookのサーバ上にあるので、当然従来の記事のようなオリジナルへのリフェラルトラフィックはなくなるが、米comScoreとの協力により、Instant Articlesのページビューをオリジナルへのトラフィックとしてカウントする機能を搭載したという。また、Google Analyticsなど各種ツールでの解析も可能だ。
Instant Articlesのパートナーになりたいメディアは、まずはこのページからFacebookにコンタクトをとるといいだろう。
Facebook側のメリットとしては、注力するモバイルと動画を強化することでユーザーの滞在時間を増やせる他、メディアのコンテンツとユーザーアクティビティなどのデータが収集できることも大きいだろう。
Introducing Instant Articles, a new tool for publishers to create fast, interactive articles on Facebook.
Posted by Facebook Media on Tuesday, May 12, 2015
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