鳥取市内の美術館で10月末から開かれるイベント「鳥取砂丘光のアートフェア2015」で、上空7000メートルを照らすという“光のタワー”が計画されていることを受け、「光害」を抑える活動に取り組んでいるNPOが5月21日、抜本的見直しを求める声明を発表した。主催する鳥取市によると、光害を心配する声は市にも寄せられており、現在、課題を整理しているという。
鳥取砂丘光のアートフェア2015は、砂丘そばにある「鳥取砂丘砂の美術館」で10月31日〜1月3日に開催される、「光のアート」をコンセプトとしたイベント。イベント内容は公募で提案を募り、上空7000メートルを照らす19台の高出力サーチライトで光のタワーを作る「星空のツリー」などを含む提案が選ばれた。
計画に対し、光害を抑える活動に取り組んでいるNPO・国際ダークスカイ協会東京支部が懸念を表明。「相当量の光が大気中に拡散することで周囲の空間が散乱光で満たされ、生態系に影響を与えたり、天体観測がしづらくなったり、周辺住民が迷惑光と感じる」――などと指摘している。
同市の担当者によると、光のタワーによる光害の懸念はメールや電話などで寄せられているという。現在は提案を選定したばかりで、具体的なイベント内容は今後詰める段階といい、光害への懸念なども含め、課題を整理しているという。
ライトアップによる光害をめぐっては、富士山を遠隔照明システムで照らそうというベンチャー企業のプロジェクトが、反対の声を受けて中止になった例がある。
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