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個人のスキルを売買「ココナラ」、5億4000万円調達 “相談のゲートウェイ”を集客拠点にマネタイズ

» 2015年11月24日 16時58分 公開
[山崎春奈ITmedia]

 個人の特技やスキルを売買するECプラットフォームを運営するココナラは11月24日、ジャフコ、ニッセイ・キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、VOYAGE VENTURESから総額5億4000万円の資金調達を行ったと発表した。マーケティング、広告に投資し、事業規模拡大に取り組む。

photo 多種多様なサービスを購入できる

 「ココナラ」は、リサーチ代行やライティング、占いや似顔絵など、ユーザーのスキルを500円から売買できるC2Cサービス。2012年に開始し、11月時点で登録ユーザー数約20万人、出品数約5万件、月商5000万円規模に成長している。

 クラウドファンディングと異なり、出品者が主体となって商品を提供すること、不特定多数によるコンペ形式ではなく1対1のやりとりが基本になることが特徴だ。購入者は匿名かつクローズドな場でしがらみなく相談・発注できる。出品者側は、得意な分野を生かして副業に、実績を重ねて転職につなげた、顧客が少ない地方から全国に案件を募る――など、個々の働き方に合わせて利用しているという。

photo 月次売上高推移
photo 多種多様なサービスを購入できる
photo カテゴリ別の出品数

 単価は500円からと少額であるものの、1人あたりの月間購入額は約6000円にのぼる。1度購入したユーザーの約20%が継続して利用しており、習慣化すると、カテゴリーをまたいで購入する傾向が強いという。

 南章行代表はサービス成長の第1フェーズを「相談のゲートウェイ」と位置付け、「まずは『困ったことは何でもココナラで調べてみる』人を増やしたかった」と話す。今後は第2フェーズとして、より専門的に相談や悩みに答えるマッチングに力を入れる。法律相談や結婚相談、車や不動産の購入――など、大きな意思決定につながるソリューションやサービスをトランザクション型や広告型で提案し、競争が激しい各分野の新しい“集客のエンジン”とする狙いだ。

 「ビジネスや法律に関わるような明確にゴールのあるニーズでなくても、例えば占いを利用する人はキャリアや恋愛、結婚などに悩んでいるはずで、一歩先を提案できる可能性がある。それぞれの悩みに寄り添いながら、既存の大きな市場を取りに行きたい」(南社長)

photo 市場の拡大と課金モデルの拡張

 これまでほぼ口コミのみで成長してきたが、調達した資金でリスティング広告などマーケティング広告に投資し、さらなる規模拡大に取り組む。VOYAGE GROUPとはアドテクノロジーやメディア展開など、事業部分でも提携していく。

 海外展開やオフラインでのC2Cなど新事業も視野に入れ、2018年の株式上場を目指すという。

photo ジャフコ三好啓介取締役、ココナラ南章行代表、VOYAGE GROUP事業投資戦略室長谷竜也さん(左から)

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