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「似顔絵描きます」「本、紹介します」――個人の“特技”を500円で売買「ココナラ」

» 2012年08月06日 14時21分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo ココナラ

 個人ユーザーが自分の“特技”を500円で売買できる――そんなWebサービス「ココナラ」が徐々に人気を集めつつある。7月3日のオープン後すぐにブログや「NAVERまとめ」で紹介され、8月6日までの1カ月で約4500人がユーザー登録。総出品数は700件、取引数は1000件を超えたという。

 出品されているサービスは「写真を元に似顔絵アイコンを描きます」「今のあなたにしっくりくる本を紹介します」などさまざまだ。中には「Webサイトの課題抽出を的確に行います」といった専門的なものもあるが、価格は一律500円。ユーザーが自分の特技の値段を考えることなく、気軽にサービスとして出品できるようになっている。

photo SNSのアイコン用に似顔絵を描いてくれるサービスなどの人気が高いという

 メールアドレスかFacebookアカウントでログインすれば利用でき、サービス出品料は無料。購入にはクレジットカード決済を利用する。誰かがサービスを購入すると、販売額から手数料30%を差し引いた額が出品者に還元される仕組みだ。

 運営するのは、今年1月に設立したばかりのベンチャー企業・ウェルセルフ(東京都渋谷区)。同社は当初はヘルスケア事業を行おうとしていたものの「コネクションや資金がないと参入が難しかった」(南章行社長)として断念。一転してWebサービスの開発に切り替えたという。

photo 南社長

 南社長はヘルスケア事業を目指していた当時「管理栄養士の資格を持っていても、そのスキルを提供する場(=仕事)がない」状況の人が多いことに気づいたという。そこで、有資格者がスキルを気軽に提供できるようなWebサービスの構想をスタート。「栄養相談だけだとニッチすぎる」と、出品できるサービスの幅を広げてココナラの原型を完成させた。

 5月にはβ版オープンにこぎ着け、創業メンバー3人の知人たちを中心に約400人に登録してもらったところ、約2カ月で「200くらいのサービスが出品され、100件ほど購入された」という。「思ったよりたくさん取り引きがあった」

 7月3日の正式オープンから1カ月。約4500人がユーザー登録し、700件以上の出品と1000件以上の取り引きが発生したという。「個人対個人のサービス売買の場は業界としてまだ浅い。他社の競合サービスはそれほど意識していない」と南社長。今後は取り引き数の拡大を目指し「来年度には月間1万5000件くらい取り引きが起きるようにしていきたい」と意気込んでいる。

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