グリーの100%子会社・ピンテは12月15日、動画広告の製作から、出演者のキャスティング、配信・運用までを一貫して支援するサービス「WOOZ」の提供を始めた。グリーが培ってきたコンテンツ制作とマーケティングノウハウを活用し、効果的な動画広告の提供を進める。
企業がSNSや自社サイトなどで公開する動画広告を、立案・制作から運用まで一貫してサポートするサービス。10社以上の動画制作会社、芸能事務所と提携し、モデルやタレントをキャスティングするほか、動画投稿サイトの人気投稿者も活用する。同社が運営する「GREE ニュース」、YouTubeやTwitter、Facebookなど、SNSを活用した広告効果についてもコンサルティングを行う。
すでに首都圏を中心に、ECやゲーム開発企業、人材系企業、不動産業などの動画作成に着手。来年以降、本格的に事業規模を拡大し、地方の主要都市圏の制作会社・芸能事務所などとも連携していく方針だ。
グリー子会社で動画配信プラットフォームを展開するGlossomの江川嗣政社長は「動画広告の制作を一貫してサポートするサービスは既存他社にはなく、現時点でライバルはいない」(江川社長)と話す。
国内の動画広告市場は、過去5年間で16倍に成長。米国市場と比べると黎明期だが、デジタルサイネージや360度/3D動画など、動画広告手法の多様化によって、2017年には約640億円に届くと見込まれている。「テレビ通販市場が横ばいとなった今、いよいよ動画ショッピングの時代が来るのでは」(江川社長)。
こうした中、Glossomは昨年11月、米国の動画広告配信プラットフォーム「AdColony」の日本向け独占配信ライセンスを取得。「WOOZ」では、動画コンテンツ制作に踏み込み、グリーグループが培ってきた広告事業の強みも生かす。
江川社長は、スマートデバイスの普及や通信速度の向上で、ストレスなく動画を見れるインフラ環境が整ったことを指摘。テキストや画像と比較して、広告の認知や商品の購買率も高く、動画広告に注力する理由とした。
動画プラットフォームの整備が進んだことも、動画広告の台頭を後押しする。女子中高生の支持を集める10秒動画共有サービス「MixChannel」のように、「世代・趣味趣向に合わせた動画プラットフォームが相次いで出現している」(江川社長)という。「雑誌媒体の成長期では、読者の趣向に合わせ雑誌の種類が増え、全体の読者数が増えた。同様のことが動画でも起きている」(江川社長)。
プラットフォームの出現に加え、ユーチューバーやインスタグラマーなど、SNS上で人気を集める動画投稿者にも注目。動画内で商品やサービスを紹介し、消費者の購買を左右する“インフルエンサー”として、広告効果の向上に活用していく構えだ。
「ようやくインフラが整備された状態で、効果的な運用が分からない企業も多い。『動画を作っただけで満足』に終わらず、より動画の広告効果を発揮できるように、マーケティングを支援していきたい」(江川社長)
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