零式艦上戦闘機(零戦、ゼロ戦)のテスト飛行が1月27日に海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県)で行われる。日本人が所有する機体が国内で飛行するのは戦後初の試みだという。
計画を進めるゼロエンタープライズ・ジャパンの石塚正秀取締役が米国に保有する零戦を国内に持ち込み、飛行可能な状態で保存する――という「零式艦上戦闘機 里帰りプロジェクト」。安全面から基地内での一般の観覧は禁止としたが、今後は一般公開も検討する。
機体は、1970年代にパプアニューギニアで発見されたもので、2009年に石塚さんが米国で所有権を取得した。14年に日本に持ち込んで整備を進め、昨年7月にエンジンの始動テストを実施。国土交通省や航空局、防衛省などとの調整を終え、1月15日に飛行許可が下りた。
担当者によると、今回の飛行のため、昨年2月のクラウドファンディングで約2340万円を調達。機体の運送や組み立て、法的な手続きなどに費用を充てた。「今後の一般公開や保管を考えると、資金面で課題がある」(担当者)と言い、企業や個人などからスポンサーを募集している。
零戦は三菱重工業が開発。採用された1940年が皇紀2600年に当たることからこう呼ばれた。設計者の堀越二郎を描いた、宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」が13年に公開されている。
石塚さんはFacebookのページで、零戦を「戦争の象徴」ではなく、明治以降の先人が努力の末に生んだ「最高峰の航空機」と評し、現在の日本の繁栄、平和な社会につながると説明。「日本の近代の歩みを知っていただくための遺産」だといい、「生きた歴史の証人」として「後世に伝えるべき」とコメントしている。
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