アーケード施設の電子マネーをめぐり、協業の発表が相次いだ。コナミデジタルエンタテインメントは2月29日、セガ・インタラクティブとアミューズメント機器向け電子マネーインフラの整備を共同で検討することに合意。タイトーも楽天Edyと組み、同社のアミューズメント施設利用者向けに、電子マネー機能付き会員カードを発行すると発表した。
アーケードゲーム機に電子マネーを導入することで、従来100円単位だったプレイ料金を1円単位で設定でき、立地やユーザー層に合わせて料金を柔軟に変えたり、集金業務を軽減できるといったメリットがある。各社ともアーケード施設事業はユーザー人口の減少などで厳しく、効率化や新たな収益源を模索する動きが進みそうだ。
コナミとセガの共同インフラは今夏の提供を計画。コナミは2010年からアミューズメント施設向け電子マネー「PASELI」を展開し、セガはSuicaなど交通系電子マネーにも対応するシステムを開発しており、アーケード機専用電子マネーに加え汎用電子マネーも利用できるサービスを1つのシステム・機器で運用できるようになるとしている。
店舗運営者は複数のインフラを導入する必要がなくなり、プレイヤーは現金に加えさまざまな電子マネーを利用できるメリットがあるという。
決済システムは、電子マネー認証をサーバ上で行うシンクライアント方式とし、決済端末上での処理を必要最小限にとどめ、低コストかつセキュリティの高いインフラを構築できるという。
タイトーが発行する「タイトーステーションメンバーズカード」は、プリペイド型電子マネーの楽天Edy機能が付いており、200円の利用で楽天スーパーポイント2ポイントが付与される。
タイトーにとっては、カードの利用履歴から「いつどこで、何をどれくらい遊んだか」といったユーザーのプレイデータを取得し、分析することで、これまでスタッフの経験と勘に基づいていたサービス運営に生かせるメリットがある。将来はデータ分析に基づき、ユーザー1人1人の好みに合わせたサービス展開を検討するという。「ユーザー個人を判別するものではない」と説明している。
3月下旬には、電子マネー用ワイヤレス決済端末の実証実験も始める。端末がインターネット(閉域網)経由で直接サーバにアクセスする仕組みだ。
現行では有線LAN接続による端末と店舗内管理システムが必要だが、新方式の導入で1台単位で電子マネーに対応できるようになり、小規模なゲームコーナーやライブ会場、観光地など、利用シーンを拡大できるとしている。ゲーム以外の異業種との連携も具体的に協議しているという。
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