「iPhoneは非常にパーソナルな端末だ。Appleには、あなたがデータとプライバシーを守るのを助ける責任がある」──。米Appleのティム・クックCEOは3月21日(現地時間)、本社キャンパスで開催した製品発表イベントの冒頭で、対FBI問題に触れてそう語った。
「約1カ月前、われわれは全米に向けて、ある問題に関する議論に参加するよう呼び掛けた。われわれのデータとプライバシーに対して国家政府はどれだけの権力を持つべきかを国家として決める必要がある。(中略)われわれはこんな立場に立つことになるとは思っていなかった。わが国の政府と対立するとは。Appleには、あなたが自分のデータとプライバシーを守るのを助ける責任がある。われわれは顧客と母国に対して(データとプライバシーを守る)義務がある。この責任から逃れるつもりはない」(クック氏)
クックCEOは2月16日、米判事がAppleに命じた銃乱射犯捜査への協力命令(犯人が所有していたiPhoneのロック解除ツールをFBIに提供すること)を拒否したことを公開書簡で発表した。
Appleはこの発表イベントの翌日に当たる22日、カリフォルニア州中部地区連邦地裁で開催されるこの問題についての法廷審問に臨む予定だ。この審問に関しては、多数のIT企業や人権保護団体がApple擁護の文書を提出している。
Appleの21日の発表イベントでは、「iPhone SE」「9.7インチiPad Pro」「Apple Watch」の新素材バンドや値下げなどが発表された。
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