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2016年04月13日 12時18分 UPDATE

ドローンで図書を自動配送、実証実験に成功 「ワンタイムパッド暗号」でセキュアに NICTなど

NICTなどが、ドローンを使って学校間で図書を配送するシステムの実証実験に成功。強固な暗号方式「ワンタイムパッド暗号」などを使い、機器間の通信を暗号化した。

[ITmedia]

 情報通信研究機構(NICT)とプロドローンはこのほど、ドローンを使って学校図書室の図書を別の学校へ配送するシステムの実証実験に成功した。約1キロの図書を搭載し、高度約50メートル・距離約1.2キロの自動飛行に成功。強固な暗号方式「ワンタイムパッド暗号」などを使い、機器間の通信はすべて暗号化した。

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画像 ワンタイムパッド暗号化の概要

 秋田県仙北市の国家戦略特区にある西明寺小学校と西明寺中学校の間で実験した。

 ドローン・地上局・図書室端末・配送管理端末・データサーバでシステムを構成した。西明寺中学校の図書室端末から西明寺小学校の配送管理端末に図書配送リクエストを送信。小学校で約1キロの図書をドローンに積み込み、配送管理端末から地上局に配送先の情報を送信した。

 ドローンはオペレータの操縦で高度約50メートルまで上昇させた後、あらかじめ設定された直線距離で約1.2キロのコースを自動航行で飛行させ、オペレータによって中学校校庭の設定した場所へ着陸させた。

 通信には、事前に配布した共通鍵による共通鍵暗号(AES方式)と、どんなに高い計算能力を持つ盗聴者でも永遠に解読できないとされる強固な暗号方式「ワンタイムパッド暗号」を適用。機器間の通信をすべて暗号化することで、乗っ取りや情報漏えいを完全に防御したとしている。

 NICTが暗号通信技術の開発を、プロドローンが配送システムとドローン運用技術開発・実装を担当した。

 今後も同市での実証実験に参加し、運用技術やノウハウを蓄積する。システム実用化に向け、今回、オペレータが担当した離着陸操作も自動化し、完全自動航行での運用を目指す。複数拠点を結ぶネットワークの広域化にも取り組む。

 将来は、薬の配送など個人情報の保護が求められる輸送、山岳遭難救助や火山監視などの災害対応、重要インフラ施設管理の高機密用途――などへの活用を目指す。

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