米司法省(DoJ)は4月22日(現地時間)、ニューヨーク東地区連邦地裁に対し、ブルックリンでの麻薬捜査に関連する米Appleに対するiPhoneロック解除命令の要請を取り下げるという書簡を送った。米Bloombergをはじめとする複数のメディアが報じた。
書簡には「昨夜、ある人物が問題になっているiPhoneのパスコードを提供した。このパスコードを使ったところ、iPhoneのロックを解除できた。従って、政府はもうAppleの支援を必要としなくなり、要請を取り下げる」とある。この“人物”が誰かは明記されていない。
DoJは、カリフォルニア州中部地区連邦地裁に申し立てていた別件(サンベルナルディーノの福祉施設で起きた銃乱射事件)では、第三者から購入したツールで犯人のiPhone 5cのデータにアクセスできたのでAppleの協力は必要なくなったとして取り下げた。
ブルックリンの事件に関しては、要請は取り下げないとしていた。
米連邦捜査局(FBI)のジェイムズ・コーミー長官は4月21日、米Aspen Instituteがロンドンで開催したセキュリティ関連イベントに登壇し、FBIがiPhoneのロック解除のためにこれまでに第三者に大金を支払ってきたと説明し、将来的にはこの方法を変えたいと語った。同氏は、これまでに第三者に支払った総額は自分のFBI長官としての約7年の報酬総額より高いと語った。米Washington Postの計算によると、100万ドル(約1億1200万円)に相当するという。同氏は、「私の見解では、それだけの価値はある」と語った。
Appleが米捜査当局からロック解除支援を要請されているケースはこの2件だけではなく、Apple対DoJの戦いはまだ長引きそうだ。
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