「政府はファルーク容疑者のiPhoneに保存されたデータにアクセスできたので、Appleの助けは必要なくなった」──。米司法省(DOJ)は3月28日(現地時間)、このような状況報告書を米連邦地裁に提出した。
これにより、3月22日から延期されていたカリフォルニア州中部地区連邦地裁での法廷審問は中止になる見込みだ。この審問に向けて、Appleを支持する多くのIT企業や人権保護団体が法廷助言書を提出していた。
同地裁は2月16日、Appleに対し銃乱射事件捜査への協力を命令したが、Appleがこれを拒否した。この命令は、死亡した犯人のiPhone 5cのロックを解除するためのツールを米連邦捜査局(FBI)に提供せよというものだ。Appleはそうしたツールの提供は、ユーザーだけでなく、政府と国民のプライバシーを脅かすものになり得るとして拒否し、この問題を旧態然とした米国の法律を見直す機会にしようと社会に働き掛けていた。
FBIは当初、Appleの助けがなければiPhoneのロック解除は不可能であり、また、入手したツールはこの事件の解決にのみ使うと主張していたが、法廷審問が予定されていた22日の直前になって、第三者からロック解除方法を提示されたとして法廷審問の延期を要請し、4月5日までにこの方法が有効かどうか報告するとしていた。
本稿執筆現在、Appleからはまだ声明は発表されていない。
【UPDATE】Appleからの声明文を別記事で紹介した。
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