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Omoidoriはモノクローム、色を点けてくれ立ちどまるよふりむくよ(2/2 ページ)

» 2016年06月19日 12時25分 公開
[松尾公也ITmedia]
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siggraph2016_colorization

 Web版を作成し提供してくれているサービスをWebで提供してくれているわけだが、アップロードサイズは8MBまで、大きい画像は長辺が800ピクセルになるように縮小される制限がある。

 さあ、ガンガン彩色してもらおう。

photo 体育の授業か運動会らしいが、木の緑や髪の毛もひっくるめてセピア調
photo なにかのオフ会でろくろをまわしている妻のカラー化はやはりセピア調に
photo カラーではタンスの色や服の模様がわりと再現されている

 中学生くらいから、結婚後の写真まで。最後の写真は、次男が生まれる直前くらいなのになぜかモノクロ。このときのスウェットは模様の色もかなり近いものに再現されている。タンスやフスマもそれっぽい。

 毎回このくらいうまくいくといいのだが。

 自分が持っているモノクロ写真では、空や木々、地面など、テクスチャがわかりやすいものはきれいに拾ってくれるが、そうした手がかりがない場合には、人の肌くらいしか判断できていないように思える。

 髪の毛や服、肌の色など、参考になる本人の画像を学習させればもっとリアルな色彩が得られるのだろうか。将来的にはそういうオプションも出てきてほしい。Appleの「写真」アプリでも、顔認識はできるのだから、そのくらいの機能がついてもいいよね?

 この元になった論文は、7月24日から行われるSIGGRAPH 2016に提出予定で、これだけ話題になったことでさらなる知見が得られた可能性も高い。すばらしい研究なので、これからの進展を強く望みたい。

 モノクロ写真をカラー化するためのフォーラムとしては、「/r/Colorization」が有名だ。ここでは作例やノウハウの交換がされていて、Photoshop、GIMPなど主要なレタッチソフトを使ったチュートリアルへのリンクも用意されている。

 個人的にこうしたテクニックを身につけるのが先か、Adobeが「コンテキストに応じた彩色」機能をAdobe CCに追加するのが先か。まあ、勉強しといて損はないよね。

 Omoidoriの発表会のとき、この技術のことを挙げて「退色した写真とか白黒写真とかがうまくカラー化できる機能はつかないですかね?」と質問したところ、「戻したい元の画像が人によって異なるので難しい面がある」ということだったが、課題の1つとして検討はされている様子だった。これも期待。

君は天然色?

 というわけで、Omoidoriで撮影したモノクローム写真と、色をつけてくれた加工後の写真を使って、妻とぼくの歌声でミュージックビデオを作ってみた。大滝詠一「君は天然色」カバー。大学時代、バンドで演奏したこともある思い出の曲だ。

 オケはほぼiPad Pro 12.9インチのGarageBandで、パーカッションの2トラック(スコーン!ってやつ)は、iPadのSampleTankで。ぼくのボーカルは、段ボール製ボーカルブースの「だんぼっち」で、妻の歌声はMac版歌声合成ソフトUTAU-Synthで。

photo 妻の歌声はUTAU-Synthで

 原曲が録音を重ねに重ねたものなので、耳コピするのと、GarageBandで生楽器を一切使わないレコーディングは大変だったが、楽しかった。その過程で見つけたGarageBand Tipsもいくつかあるのだが、それはまたの機会に紹介したい。

photo GarageBand Tipsはいずれまた

 モノクローム写真をカラー化したり、「君は天然色」カバーミュージックビデオを作成したりする作業のあと、夢まくらに妻と出会うトキメキを願ったら、ちゃんとかなえられたことを、ここに報告しておこう。

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