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2016年06月06日 08時44分 UPDATE

新連載:立ちどまるよふりむくよ:Omoidoriで想い出のフォトグラフが帰ってきたら (1/2)

過去を振り返りまくる新連載第1回は、話題のフォトアルバムスキャナー、PFU「Omoidori」。さっそく過去への旅に出た。

[松尾公也,ITmedia]

 過去を振り返りながら現在のテクノロジーと対比させるという、温故知新的連載「立ちどまるよふりむくよ」をここにスタート。その第1回は「想い出のフォトグラフ」を、PFUのアルバムスキャナ「Omoidori」で再訪する。

 もう会えない家族・友人、失われた場所、そういった想い出には、デジタル化されていないものが多い。フォトアルバムに残された銀塩写真もそうしたものの1つだ。

 フォトアルバムなどに収められている銀塩写真は、覆っているフィルムや光沢仕上げなどがあるため、多くの場合、取り出してスキャンする必要がある。いったん取り出すと戻すのが大変で、順番が変わることも。台紙に直接糊付けされているものは、はがしたとしても写真が破けてしまう危険性もある。古い世代のものは糊付けされていて、比較的新しいフエルアルバム的なのは、透明フィルムに入れていくタイプなので取り出さないと反射しやすい。どっちにしてもやっかいだ。

 そんな苦労をせずに、手軽に想い出のアルバムをiPhoneの写真ライブラリに収めることができる。「Omoidori」はそういう製品だ。ティーザーサイトからのぼくの予想的中したようだ

 iPhoneと組み合わせ、写真からの反射を防ぐ独自の手法を利用したiPhone用アルバムスキャナ「Omoidori」は税込み1万2800円で6月下旬発売。

 Omoidoriの撮影自体はiPhoneで行う。使えるiPhoneは、iPhone 5以上、iPhone 6s以下。サイズ的な制限があって、最新モデルのうち、iPhone 6s Plusだけは使えない。残念、ぼくはiPhone 6s Plusユーザーなのだ。

photo そもそもOmoidoriより6s Plusのほうがでかいので入るはずがない

 しかたないので、iPhone 5cを使うことにした。iPhone 6s/6s Plus/SEの1200万画素に対して800万画素と不利だがまあしかたない。

 使った後で気づいたのだが、iPhone 5cはサポート外だった。でも問題なく使えたことをここに報告しておく。

iPhone×暗室×ミラー×フラッシュ2セット×合成

 Omoidoriのアイデアは相当におもしろい。

 「アルバムに貼られた写真をそのまま撮影したいんだけどなんとかならないか」という提案がPFUの技術トップに持ち込まれたのが10年前。しかし、表面のテカリをなくすために暗くすると写真自体が暗くなるという問題はなかなか解決できず、あの手この手でトライしても上手くいかない。大きな装置を使ってもダメだったという。

 そして2011年3月11日、東日本大震災。がれきの中から泥だらけの写真を人々が大切そうに抱える姿、アルバムをゴミ袋に入れて持ち出す様子を見て奮い立ったPFUの技術者はさらに格闘した。さらに2年以上が経過し、ようやく写真の光をコントロールする方法が見つかった。

 答えは「閉じた環境を作る」ということ。つまり、暗室である。周囲の光が回り込まないようにするには、まず囲い込むしかない。そして光をコントロールするわけだ。この、コントロールする発想がすごいのだ。

 Omoidoriは、iPhoneを横に2枚並べたくらいの大きさで、その左側にiPhoneをパチっとはめる(iPhone 6/6s以外は付属のアダプターをつける)。そしてカパッと開くと、写真が1枚入るくらいの「暗室」ができる。これをフォトアルバムの目的の写真の上に置いて撮影する。

 iPhoneのレンズ、フラッシュのそれぞれの位置には穴が開けられている。iPhoneのカメラを使うわけだが、直接撮影するわけではない。iPhoneにOmoidoriアプリをインストールして表示される画面を見ればわかるが、左右上下が反転しているのだ。実はOmoidoriの内部に鏡が貼られていて、そこに映り込んだ写真を撮影するのである。

 シャッターボタンを押すと、二度シャッター音がする。それはなぜか。最初のシャッター音のときにはフラッシュが焚かれるのだが、そのときには撮影していない。このフラッシュをOmoidoriのセンサーが検知し、内蔵する2セット(左右2個ずつ)のLEDフラッシュが交互に光り、それぞれ撮影する。片側からフラッシュを当てると、テカリが一部だけとなり、テカっていないところだけを合成すれば全域がテカリなしで撮影されている写真が出来上がるという仕組みだ。テカリをわざと起きるようにし、コントロールしているのだ。こういうことができるのも、iPhone 5/6のサイズに決め打ちしているからで、Androidだとカメラレンズの位置が違ってくるし、機種の違いも大きい。

 iPhoneをうまく使った撮影機器としてSnapLiteという製品があるが、あれも大きなサイズの撮影時には左右を別々に撮って合成していた。iPhoneアプリ側で合成する機能はこのときからあって、その技術が応用されているんだね。

 発表会でたまたま隣席になった荻窪圭さんがiPhoneカメラ講座連載の最新回で「iPhoneカメラでガラス越しの被写体をキレイに撮るコツ」を伝授しているが、Omoidoriはまさに光をコントロールして撮っているのだ。

 これを、一見単純そうな310グラムのボディに凝縮しているのがすごい。開くと暗室、かぶせて撮影。

 仕組みが分かったところで、発表会参加者に配布されたこの製品を実際に使ってみよう。

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