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2016年06月21日 17時03分 UPDATE

歩行困難でも自分の両足でこげる車いす「COGY」 リハビリ支援にVR活用

足の不自由な人が自分の足でこげる車いす「COGY」(コギー)を、東北大学発のベンチャーTESSが開発した。リハビリ支援にVR(仮想現実)やスマホのアプリも活用する。

[片渕陽平,ITmedia]
photo 足の不自由な人が自分の足でこげる車いす「COGY」

 東北大学発のベンチャーTESSは6月21日、足の不自由な人が自分の足でこげる車いす「COGY」(コギー)を、同社のWebサイトで発売した。価格は32万9000円(税別)から。足の力などを計測する連携アプリや、VR(仮想現実)を使ったサービスも提供し、半身まひの患者などのリハビリを支援していく。

 人が歩く時は、脳が指令を出し脊髄を介して足を動かしているが、脳に障害を負うと指令がうまく伝わらず、歩行が困難になるケースがある。だが、脳からの指令とは別に、脊髄からも足を交互に動かすための反射的な指令が出ることが知られている。

 この脊髄からの指令に基づく足の動きに注目し、自分の足でペダルを踏み込んで動かせる車いすを開発。一方の足がわずかでも動けば、まひした足も動き、両足でペダルをこいで進める仕組みだ。車輪を手で回す車いすと比べると、走るスピードが速く、小回りがきくため、狭いエレベータの中でも方向転換できるという。

photo 一方の足がわずかでも動けば、まひした足も動き、両足でペダルをこいで進める

 2008年に同製品を「Profhand」(プロファンド)の名前で発売し、医療施設向けにリハビリ用途を中心に提供してきた。鈴木堅之社長は「症状が重い患者以外にも、車いすのスポーツ選手のトレーニング用など、幅広く需要がある」と判断。機能を一部変更し、名称を「COGY」に改めて個人向けにも販売していく。年間2000台の販売を目指すという。

 今後は、ペダルにセンサーを内蔵し、踏み込む力を測るスマートフォン向けアプリ「COGY+」のほか、VR技術を活用し、屋内でもトレーニングができる「COGY VR システム」の販売も予定する。アプリやVRを活用し、リハビリ状況を把握することで、車いすから2足歩行への移行を促すという。「COGYでリハビリが完結するとは思っていない。社会に復帰するきっかけにしてほしい」(鈴木社長)。

photo VR技術を活用した「COGY VR システム」(左)とアプリ「COGY+」(右)
photo 左から、鈴木堅之社長、水泳の村田奈々選手、車いすフェンシングの安直樹選手

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