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iPhone持てばスーパースターも夢じゃない新連載「GarageBandオンザラン」(1/2 ページ)

» 2016年07月03日 01時12分 公開
[松尾公也ITmedia]

 日本人スマートフォンユーザーの半数、女子高生に至っては8割が所有していると言われるiPhone。そのiPhoneにはもれなく無料で音楽制作ソフトが入っているのだけど、知らない人も多いのではないだろうか。

 実をいうと、GarageBand(ガレージバンド)というソフトは、このために数万円だしても惜しくないくらいの、史上最高レベルでよくできた音楽制作ソフトなのだ。ちょっとしたコツさえあれば、簡単に音楽が作れるし、楽器にもなる。この連載では、ぼくが長年のGarageBand生活からつかんだコツをみなさんと共有していきたいと考えてる(えらそう)。

 先日、ぼくはGarageBandをちょこちょこっと使って、10分ちょっとくらいでこんな曲を作った。

 ぼくはbackspace.fmというテック系のポッドキャストをやっていて、そのエンディング曲に、ボカロネットというサービスの自動作曲ツールを使って毎回違うエンディング曲を入れているのだが、そのサービスが9月でおしまいになってしまうため、エンディング曲を自作しなくてはならなくなった。簡単に作れる方法はないものかと、放送終了後、10分ちょっとくらいででっちあげたのがこの曲だ。

 いっしょに放送をやっているドリキンが参加していたWWDC(Appleの開発者向けイベント)が終わって「祭りの後の寂しさ」がどうのこうのと言っていたので、吉田拓郎「祭りのあと」にインスパイアされたフォークっぽい曲を作ってあげようと考えたのだ。

 この曲を番組で流した後、「松尾さんはギター弾けるんですね」というコメントをもらった。たしかに弾けるけど、これは実際に弾いてるわけじゃない。

 GarageBandの中の、Smart Guitarという「楽器」を使ったのだ。

 GarageBandのアプリを立ち上げると、「+」マークが出てくるので、それを押すと、なんの音もはいっていない、からっぽの「プロジェクト」が開く。

 1つのプロジェクトには、いくつもの楽器を「トラック」として追加していける。画面の左下にある「+」ボタンを押すと、使用する楽器を左右のスワイプで選ぶモードに入るので、そこで楽器アイコンを選ぶのだ。この中で、丸に囲まれているのはスマートなんちゃらという楽器。これはほかの楽器とちょっと違う。演奏を勝手にやってくれるのである。

photo いろいろある楽器の中からSmart Guitarを選ぶ

スマート楽器は頭がいい

 スマート楽器、AppleはSmart Instrumentsと読んでいる。この中でも最高レベルの使い勝手を誇るのが、スマートギター(Smart Guitar)だ。今回は、このスマートギターをじっくり使ってみる。

 スマートギターを選ぶと、アコースティックギターっぽい画面になる。6本の弦が張られていて、コード名が書かれている。コード名の下の部分を、上から下、下から上にスライドさせると、ポロン、とコードの音が出る。指を弦の上に1つずつタップすると、ポンポンポンポンと、コードに従った音階が重なり、アルペジオとなる。たとえばCコードなら、下から、ソ・ド・ミ・ソ・ド・ミ。左手でコードのフォームに従って押さえて、右手でポロポロと鳴らす、それが簡単にできてしまうのである。難しいFコードも、これならきちんと押さえられるしちゃんと音が鳴る。指が痛くないよ、わーい。

 このコードだが、キーに従って、違ったものが表示される。たとえばAmであれば、左からC、F、Bdim、Em、Am、Dm、G、Eといった具合だ。キー毎に、よく使うコードが8個割り当てられていて、簡単に楽器が弾けちゃう。それがスマート楽器のコンセプトの1つなのだ。

 このコードは、8個だが、iPad Pro 12.9インチだと16個使えるし、さらに、画面右上の設定アイコンをタップして、「コードを編集」をタップすると、もっと難しいコードに割り当て直すことが可能だ。Major7とかadd9とか、コードはFなのにベースをGにするとか、オッシャレーな感じのコードを使うことだってできる。

photo コードの編集は設定から

 キーも、同じく設定画面で、テンポもここで決められる。テンポは、タップする感覚で設定できるから楽だ。好きな曲のテンポに合わせたいのなら、その曲に合わせて拍子を取ればよいのだ。

 今回は、テンポは自分が歌いやすいようにタップして、106BPMに、キーはAmにした。

 自分でジャカジャカかき鳴らしてもいいのだが、もっと簡単にやる方法がある。AUTOPLAYだ。

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