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前代未聞「ドラクエ遠足」、その実態は……? ネットの高校「N高」初のチャレンジに先生びっくり(2/3 ページ)

» 2016年07月19日 07時00分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 だが、遠足の引率も業務の1つ。道中でモンスターに負けないように、業務の合間や帰宅後の時間を利用し、どの先生もレベル上げにいそしんだ。レベル上げを効率よく行うために、もらえる経験値が多い『メタル迷宮』などの“お得な情報”を先生同士で共有したという。

 事前に遠足ルートの下見をしたところ、予想以上に敵が強く、壊滅したパーティーも少なくなかったという。「もっとレベルを上げる必要があるし、無理な戦闘は避けるべきだと思った」(ナカナヤン先生)。

 そんな苦労のかいあってか、遠足前には「レベル上げやストーリーを進めるのが楽しくなった」(ばさし先生)という。「転職を繰り返してスキルを増やし、HP(ヒットポイント)やMP(マジックパワー)を上げて万全の状態で臨めるようにした」(ばさし先生)。

photo 道中でモンスターと戦う生徒と先生たち

生徒の反応に「心底かわいいな」

 遠足当日、現実と違って顔が見えない分、勝手な行動をする生徒もいるかと思いきや、どの先生も「生徒の動きがスムーズで、心配はいらなかった」と振り返る。「『グループごとに整列!』と言えば、きちんと4列に並んでくれた」(よこしゅ〜先生)。

 「生徒たちの発言や動きを見ると、たとえゲームの中であっても、お互いが楽しむためにスムーズに進行したいという思いがあったのだと思う」(よこしゅ〜先生)

photophoto 点呼を取り、グループごとに整列

 ばさし先生は「直接顔を合わせない分、初対面だとバーチャルの方が遠慮せずコミュニケーションできるのでは」と話す。ナカナヤン先生によれば、リアルではおとなしい生徒もドラクエ遠足では「ひゃっはー!」などの“はっちゃけた発言”があり、「素の一面を見ることができた」という。

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