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「そっからこう来るんかい!」――“挙動不審な台風”過去にもあった 気象庁研究官が紹介

» 2016年08月29日 13時24分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「動きがトリッキーすぎる」「急旋回しすぎだろ!」――複雑な動きをしている台風10号がネットで話題になっている。一般的に台風は北東へと進むが、台風10号はいったん南西へと進んだ後、本州に向かってUターン。8月30日には北日本や関東に接近する見込みで、東北地方の太平洋側に上陸すれば“観測史上初のルート”を進んだことになるという。

photo 動きがトリッキーすぎる台風10号(荒木健太郎さんのTwitterより)

 ただ、Uターンしたり、大きく旋回したりといった“挙動不審”な動きをした台風自体は、珍しいものではあるものの、過去にもいくつか例があるようだ。気象庁気象研究所の荒木健太郎さん(@arakencloud)がTwitterで紹介している。


 例えば1964年の台風14号は、今回の10号と同じように沖縄付近でUターンした後、九州に上陸し本州を縦断。1973年の台風6号も、南西に大きく曲がって円を描いている。こうした“挙動不審な台風”の数々に、荒木さんも「あっちこっちとうろついていたりぐるっと回ったり、動きだけ見ても多様」「そっからこう来るんかい!」と驚いた様子だ。

photo 1964年の台風14号(荒木さんのTwitterより)
photo 1973年の台風6号は南西方向に進んでUターン
photo 1991年の台風20号はフィリピンや台湾付近をうろうろ
photo 2003年の台風18号は北東に進むも、大きく円を描いている

 荒木さんによると、今回の10号が接近・上陸すれば、東北地方では8月31日午前6時までの24時間で最大300〜500ミリと、「マジで危険な雨量」(荒木さん)になる恐れがあるという。「海や増水した河川など、危険な場所には絶対に近付かないでください」(荒木さん)。


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