「これ誰が買うの……?」 ニッチすぎるのに人気沸騰 スマホで最大4枚のSIMを切り替える「SIM CHANGER デルタ」が生まれたわけ(1/3 ページ)
「キワモノすぎる」「これ誰が買うの……?」「こんなのを待っていた!」――スマートフォンで最大4枚のSIMカードを切り替えられる専用デバイス「SIM CHANGER デルタ」が発表された時、ネット上の評価は真っ二つに分かれた。だが、いざクラウドファンディングサイトで開発資金を募り始めると、コアなガジェット好きからの人気が沸騰。公開初日に目標額の250万円を突破し、1カ月足らずで800万円近い金額を集めるなど注目を集めている。
「決して100万台売れるデバイスではない」
開発元の家電ベンチャー・Cerevoの岩佐琢磨CEOはこう話す。なぜ“超ニッチ”なガジェット開発に取り組んだのか、そこにどんな勝算があったのか。狙いを聞いた。
ドコモのポータブルSIM技術を使うも……「えっ、そう使うの!?」
スマートフォンやタブレットで安価にモバイル通信サービスを使える“格安SIM”の普及に伴い、1人で複数枚のSIMカードを使い分けるユーザーがじわりと増えつつある。SIM CHANGERが目を付けたのは、そんなマニアックな層だという。
開発に当たっては、NTTドコモの「ポータブルSIM技術」(SIM情報を格納した親デバイスから子デバイスにSIM情報を送信する技術)を活用。1台のスマートフォンのアプリ操作で、最大4枚のSIMカードを簡単に切り替えられるようにした。
だが岩佐CEOによれば、このポータブルSIM技術の使い道は、ドコモが描いていたものとは全く違ったという。
ドコモがもともとポータブルSIMの活用例として想定していたのは「1つのSIMカードを複数の端末で使い、共通の電話番号を使い回す」というもの。一方、SIM CHANGER デルタは、複数のSIMカードを1台の端末で使い、いくつもの電話番号を使い分ける――つまり、技術の使い方としては“真逆”だ。
「SIM CHANGER デルタは、ドコモのベース技術を逆さに使っているというか、ドコモが表に押し出してなかった機能をわれわれが掘り起こした感じです。『えっ、そう使うんだ……』と、ドコモさんもびっくりされていました」と岩佐CEOは振り返る。
SIM CHANGER デルタでも、端末に挿入するSIMカード型Bluetoothデバイス「ブリッジカード」を複数枚用意すれば、ドコモが想定していたような使い方をすることもできる。だが、複数の格安SIMを切り替える使い方は、キャリアであるドコモでは提案しにくかったのでは――と岩佐CEOはみる。
「これが大手企業とスタートアップのコラボの良いところだと思っています。すでにユースケースまで完成した技術をただ使ってくださいというのはつまらない。ユースケースが想像できない、あるいは想像できても可視化できない新規事業って実は多くて、そういうものにマーケットがあるんじゃないかという感じがします」(岩佐CEO)
「250万円」では実は足りなかった 目標額に隠した“からくり”
とはいえ、普段から複数枚のSIMカードを切り替えて使っているユーザーはかなり限られており、SIM CHANGER デルタが響くのは非常にニッチな層だ。なぜ製品化できると考えたのか――そこにはCerevoの戦略があった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
9
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
10
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR