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2016年09月20日 09時00分 UPDATE

政府“異例”の「Pokemon GOチラシ」、実は「1日で作った」 電光石火を支えた秘策は (1/3)

「Pokemon GO」の国内配信の直前、内閣サイバーセキュリティセンターがプレイヤーに注意を呼び掛けるチラシを公開して話題に。「実は1日で作った」――舞台裏を聞いた。

[片渕陽平,ITmedia]

 「ポケモントレーナーのみんなへのおねがい♪」――大ヒット中のスマートフォンゲーム「Pokemon GO」が日本で公開される2日前、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)がそんな見出しのチラシをTwitterで公開して話題になった。

photo NISCが公開したチラシ(Twitterより

 イラスト入りのチラシは、Pokemon GOを遊ぶときの注意事項をまとめたもの。「個人情報を守ろう」「偽アプリ、チートツールに注意」「歩きスマホは×ですよ」など9項目が書かれている。

 文中には「ポケモントレーナー」「ロケット団」などゲーム内の用語が登場するほか、「本名とは違う、いかしたニックネームを付けましょう」「人気のない場所には、別の意味でのモンスターがいるかも」といったやわらかい表現も。ネットでは「役所っぽくない」「子どもでも分かりやすい」「遊び心がある」など、“異例の注意喚起”として評判を呼んだ。

 「実は1日ほどで作った」――NISCの山内智生内閣参事官と文月涼 上席サイバーセキュリティ分析官はこう振り返る。チラシ作成の狙いと経緯を聞いた。

「実は1日ほどで作った」

photo 山内智生内閣参事官

 Pokemon GOは、米国などで日本に先立ち7月初旬に配信スタート。すぐにプレイヤーが急増して“社会現象”になった一方、偽のPokemon GOアプリが出回ったり、歩きスマホによる事故が起きたりと、さまざまなトラブルも発生していた。

 こうした事態を受け、NISCでは「日本で配信が始まれば、同様の事態が起こるかもしれない」(山内さん)と危惧。ただ、山内さんは「Pokemon GOというせっかく生まれた技術を、『けしからん』の一言で規制するのはもったいない」とも考えていたという。「人気コンテンツはバッシングの対象になりがち。“注意喚起”というよりも、楽しく安全に遊んでもらうために、気をつけてほしいことを伝えたかった」。

 「チラシの作成には、あまり時間をかける余裕はなかった」。日本での配信が始まっていなくても、小中学校の夏休みが始まる前に注意を呼び掛ける必要があったからだ。「ポケモンのゲームとなると、子どもたちが遊ぶはず。彼らが学校にいる間にチラシを公開して教育現場で配ってもらわないと、注意が行き届かず、効果がいまひとつになってしまう」。

 しかし「役所なので、思い付きではチラシは作れない」(山内さん)。通常、注意喚起のポスターなどを作るとなると、内容に問題がないかをチェックしたり、イラストの作成を外部に委託したりして、完成までに1カ月ほどかかる。だが「Pokemon GOのチラシの場合は、1日程度でベースを作成し、夏休み前の公開に間に合わせることができた」(文月さん)という。

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