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2016年11月15日 14時35分 UPDATE

「ロボットは東大に入れるか」成果報告会(2):「将棋の時とは違う」――東大を目指したAIの腕は“人間的なアプローチ” (1/2)

人工知能(AI)の「腕」を担うのは、電王戦でおなじみのデンソーウェーブ。ところが、アプローチの仕方が「将棋」とは違うらしい。

[山口恵祐,ITmedia]

 「ロボットは東大に入れるか」――大学の入試問題を用いて人工知能(AI)の進化を測るユニークなプロジェクトが国立情報学研究所(NII)の主導で2011年から行われている。年を追うごとにAIの精度は向上し、今年は合格可能性80%以上とされる大学が535にのぼったという。この中には「MARCH」「関関同立」と総称される難関私立大学も含まれている。

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 AIの進化によって、人間と同様に大学の入試問題を解けることは分かった。だがちょっと待ってほしい。私たちが想像する試験といえば、答案用紙に鉛筆で答えを実際に書き込むものだ。マークシート形式ならまだしも、東大の2次試験を想定した論述式の問題はどうするのだろうか。

 「AIの導き出した答えを紙に書く」――この工程を引き受けたのが、産業用ロボットなどを手掛けるデンソーウェーブだ。プロ棋士とコンピュータ棋士が戦う「将棋電王戦」で使われている指し手ロボット「電王手くん」(2013年)、「電王手さん」(2015年)、「新電王手さん」(2016年)の制作にも携わっている同社。今回の「東ロボ手くん」も、同社の産業用多関節ロボット「VSシリーズ」をベースに設計されている。

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「人工知能の腕になりたい」

 「AIとロボットの融合が始まっている。将来、世の中で両者が活躍するときにAIのフィジカルデバイスでありたい」──そう語るのは、デンソーウェーブの開発責任者である澤田洋祐さんだ。電王戦のときから抱いていたこの発想から、今回もNIIの要請を引き受けたという。

 澤田さんは、東ロボ手くんと電王手くんは同じロボットアームでもアプローチの仕方が大きく異なると話す。「(電王手くんのときは)駒を取るといった人間のたくみな指さばきに対し、人と同じやり方ではない機械的なアプローチで最適解を探すのが当社のチャレンジだった。しかし、東ロボ手くんは『ペンを持って文字を書く』ような、人と同じ条件下で動作させるのがテーマ。もし機械的なアプローチでいいとなれば、プリンタを持ってきて印刷すればいいことになる」(澤田さん)。

photo AI「東ロボくん」の腕を担うロボット「東ロボ手くん」
photo 背面には太いケーブルが
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