囲碁のプロ棋士とコンピュータソフトが対局する「第2回囲碁電王戦」の第2局が11月20日に行われ、囲碁ソフト「DeepZenGO」が趙治勲名誉名人に初勝利した。日本製の囲碁ソフトが公の場で、ハンディキャップなしにプロ棋士に勝利したのは初めて。19日の第1局は趙名人が勝利していた。
終局後、DeepZenGO開発チームの加藤英樹さんは「感無量としか言いようがない。趙名人が終盤にミスしたことで勝てた。第1局と比べて、趙さんが短気だった。長時間をかけてゆっくり打たれていたら分からなかった。運がよかった。」と話す。「第3局までは時間があるので、改良をして望みたい」(加藤さん)。
趙名人は「自分の碁がひどい。もう少し軽く打たなければならなかった。勝ちに行ってしまった」と敗因を振り返る。「1局1局、人間と打っているような気分になる。3局目はもう少しましな碁を打ちたい」(趙名人)。
DeepZenGOは、米Googleの囲碁用人工知能(AI)「AlphaGo」を上回る性能を目指し、2016年3月から開発中のソフト。囲碁ソフト「Zen」開発チームのチーフプログラマー・尾島陽児さんを中心に、AIを専門に研究する東京大学・松尾研究室、ドワンゴなどが協力して開発を進めてきた。対する趙治勲名誉名人は、史上最多タイトル獲得数(74)などを誇るトップ棋士だ。
ルールはハンディキャップがない互先(たがいせん)の三番勝負。第3局は23日に行われる。
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