楽天は12月8日、MVNOサービス「楽天モバイル」で、DJIの個人向けドローン「Mavic Pro」と、スマートフォンの動画撮影時に手ブレを抑えられるハンディースタビライザー「Osmo Mobile」を9日から発売すると発表した。いわゆる“格安SIM”を取り扱う楽天モバイルが、ドローンを販売する理由の1つは「MVNOとの相性のよさ」だ。
製品発表会に登壇した黒住吉朗さん(楽天モバイル事業チーフプロダクトオフィサー)は、楽天モバイルでの取り扱いは、スマートフォンの販売促進だけが狙いではないと語る。
「モバイルの領域はスマートフォン単体ではなく、その周辺サービスが整うことで大きくなってきた歴史がある。その過程には、面白さだったりデザインが優れていたりだけではなく技術の革新があった。ドローンやハンディースタビライザーは、ライフスタイルを変えていくきっかけになる製品だと思っている」(黒住さん)
さらに、スマートフォンと連携するMavic Proならではの理由として、「普段使っているスマートフォンをドローンと連携させると使いづらい」という本音も飛び出した。
「今回の製品は、両方ともスマートフォンがないと成立しないもの。特にMavic Proは、連携させないと利用できない機能がある。私自身も実際に普段使っているスマートフォンでやってみたが、(ドローンを飛ばしていると)電話が使えなかったり、バッテリーがすぐなくなってしまったりと不便だった。メイン回線として楽天モバイルを利用していただくのが理想ではあるが、ドローンのためにサブ回線として持つのも理想なのではと正直思った」(黒住さん)
今回発表されたMavic Proは、価格が14万4259円、Osmo Mobileは3万2400円(いずれも税別)で発売される。いずれも比較的高価な製品となるが、分割購入・割引が適用されるスマートフォンや通信契約とのセット割を用意することで、ユーザーが手を出しやすいように配慮している。
ドローン製品を取り扱うだけならば、他のより安価な製品をラインアップに加える選択肢もあったはずだ。なぜ10万円を超えるMavic Proを取り扱うのか。黒住さんは品質上の問題を挙げる。
「製品を厳選したときに、品質やデザインで本当に満足できるものは、安価な製品ではまだ存在していなかった。Mavic Proは確かに高価だが、品質面を考えたときにベストなのがこの製品だった」(黒住さん)
現在国内では、ドローンによる屋外の飛行区域制限などが設けられているが、その点に関しては「GPSを利用し、システム的に飛行禁止エリアなどがあらかじめ設定されている。利用するユーザーの使い方の問題もあるが、販売元としてもしっかり注意喚起していく」(黒住さん)としている。
Mavic Proは、500ミリリットルペットボトル大の小型ボディーに、高精度なブレ補正を備えた4Kカメラや被写体の自動追尾機能、複数のセンサーを利用した障害物自動回避機能などを備えた高性能ドローン。
「楽天モバイルの契約者数拡大だけが目的ではなく、モバイルライフスタイルをより前に進めるお役に立ちたいというのが本音。両者が一緒になって伸びてほしい」(黒住さん)
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