ITmedia NEWS > AI+ >
ITmedia AI+ AI活用のいまが分かる

国際宇宙ステーション、「こうのとり」6号機をロボットアームでキャッチ その瞬間を見てきた

» 2016年12月14日 18時19分 公開
[太田智美ITmedia]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月14日、宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機が国際宇宙ステーション(以下、ISS)との結合を完了したことを発表した。結合には、ISSロボットアームを使用。アームはISS滞在中の宇宙飛行士によって操作され、12月13日午後7時39分(日本時間)に無事把持された。

 ロボットアームでキャッチした瞬間、筑波宇宙センター運用管制室では職員らによってその様子が見守られ、筆者もそこに同席。ロボットアームの操作が無事完了すると拍手が沸き起こった。


宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機 SSRMSに把持された「こうのとり」6号機(画像提供:JAXA/NASA)

宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機 ロボットアームで捕まえる「ランデブ・キャプチャ」方式で結合。現場は緊張感が漂っていた

キャッチの瞬間

 「こうのとり」6号機のミッションは、物資の輸送。日本製のリチウムイオン電池を使用した新型ISSバッテリーをはじめ、宇宙飛行士の飲料水や食料、実験装置などを搭載していた。


油井さんによる解説1

油井さんによる解説2

 特に、新型ISSリチウムイオンバッテリー6台の輸送は重要なミッション。現在ISSで使用されているニッケル水素バッテリは老朽化が進んでおり、新型バッテリーの輸送は2024年までのISS運用に不可欠なものだという。また、このバッテリーを輸送出来る技術を持っているのは日本の「こうのとり」だけ。「日本製のバッテリーを、日本のこうのとりが運ぶ。これは日本の技術が世界のスタンダードになっているという証だ」と、宇宙飛行士の油井亀美也さんは誇らしげに語る。


アームキャッチ成功後のインタビュー(油井亀美也さん)

アームキャッチ成功後のインタビュー(有人宇宙技術部門長 浜崎敬理事)

 油井さんといえば、日本人として初めてロボットアームでこうのとりをキャプチャした人物。6号機把持の瞬間は筑波宇宙センター運用管制室前で見守りながら、「つかむ瞬間は心臓が口から飛び出るほど緊張する。しかし、これ以上ないほど準備をしてきたので大丈夫という自信がある。できれば私がまたつかみたい」と話した。

太田智美

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.