米カーネギーメロン大学は1月31日、同大学が開発した人工知能(AI)「Libratus」がポーカーの世界トップレベルのプロ4人を打ち負かしたと発表した。20日間で12万ハンドの対戦をしたところ、最終的にLibratusが約177万ドル(約2億円)相当のチップを獲得した計算になり、プロに大差で勝利したという。
Libratusは、1.35ペタFLOPSと強力な演算能力を持つスーパーコンピュータ「Bridges」(米ピッツバーグ・スーパーコンピューティング・センター提供)を活用。対戦期間中は、その日の勝負が終わると「プロがどのような弱点を突いてきたか」をアルゴリズムが分析し、優先度が高い欠点から順に改善したという。
Libratusは、自分の手札が強いと相手に信じ込ませるテクニック「ブラフ」をかけることが可能という。同大学のフランク・フェニングさん(コンピュータサイエンス部門長)は「LibratusのようなAIを使えば、商談や軍事戦略、サイバーセキュリティなどの分野で意思決定を自動化できる」と説明している。「自動車を購入するとき、あなたの代わりにスマートフォンが価格交渉をしてくれる日がもうすぐ来るだろう」(フェニングさん)。
同大学のトマス・サンドホルム教授は「不完全な情報を基に戦略を立てる能力では、AIが人間を上回った」と指摘している。
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