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“謎の囲碁棋士”「Master」、正体はGoogleのAI「AlphaGO」改良版 「年内にも公式戦を」

» 2017年01月05日 13時00分 公開
[ITmedia]

 昨年末からプロ棋士を相次いで撃破した“謎の棋士”「Master」の正体は、Googleの人工知能(AI)「AlphaGo」の改良版――米Google傘下DeepMindのデミス・ハサビスCEOが1月5日(現地時間)、Twitterで明らかにした。

 Masterは、囲碁の対局ができるWebサイト「東洋囲碁」(TYGEM)に2016年末に登場し、トップ棋士を次々と撃破。今年1月2日には別のサイト「野狐囲碁」(FOXGO)で、六冠の井山裕太九段とみられるアカウント「jpgo01」とハンデなしの互先(たがいせん)で中押し勝ち。続く3日には、世界ランク1位の中国の棋士である柯潔九段、3位の韓国棋士・朴廷桓九段を破った。

 Masterの対戦成績は、両サイト合わせて60勝無敗。ネット上では「正体不明の天才棋士が現れた」「人間ではなく新しいAIではないか」と話題となっていた。

photo Masterのプロフィール(野狐囲碁のゲーム画面より)

 ハサビスCEOによれば、「Master」はGoogleの囲碁用AI「AlphaGo」を改良したものという。AlphaGoは、昨年3月に韓国のトップ棋士・李世ドル九段との5番勝負を勝ち越し、人間を含む世界ランキングで2位の棋力とされている。「非公式戦でのテストは完結した。年内にはより持ち時間が長い公式戦を予定している」(ハサビスCEO)。

photo レーティングサイト「Go Ratings」より。AlphaGoは世界ランク2位の棋力とされている
photo ハサビスCEOのTwitterより

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