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将棋連盟の新会長に佐藤康光九段 「将棋界の信頼回復に努める」

» 2017年02月06日 18時41分 公開
[ITmedia]

 日本将棋連盟は2月6日、佐藤康光九段が会長に就任すると発表した。三浦弘行九段の将棋ソフト不正使用疑惑をめぐり、会長職を辞任する谷川浩司九段の後任として「将棋界の信頼回復に努める」(佐藤九段)という。

photo 日本将棋連盟のWebサイトより

 同連盟は1月18日、谷川九段が会長職を任期途中で辞任すると発表。三浦九段が対局中に将棋ソフトを不正に使った疑いへの対応をめぐり混乱を招いたことや、自身の体調不良を辞任の理由に挙げていた(関連記事)。

 これを受け、連盟は2月6日に将棋会館(東京都渋谷区)と関西将棋会館(大阪市)で臨時総会を開き、谷川九段の後任として佐藤九段を選出した。佐藤九段は今年6月の通常総会まで、谷川九段が務める予定だった任期を引き継ぐ。

 佐藤九段は、名人2期、棋聖6期などタイトルを通算13期獲得しているトップ棋士。連盟のWebサイトに掲載された就任の挨拶文によれば、疑惑が否定された三浦九段の名誉回復や、将棋界の信頼回復に努め、対局規定を見直すなど「時代に即して変えるべきところは変え、残すべきところは残す」との方針を明らかにしている。全文は以下の通り。

佐藤康光会長の挨拶全文

 皆様こんにちは。日頃より日本将棋連盟公式webサイトをご覧いただきありがとうございます。

 本日、臨時総会と理事会が開催され、会長に選任されました。理事自体も初めての経験となります。はなはだ未熟ではありますが、宜しくお願い致します。

 昨年秋からの一連の問題では将棋ファンの皆様、主催社および関係各位、そして何より三浦弘行九段とご家族に大変ご迷惑、ご心配をお掛けいたしました。私は当時、棋士会会長を務めておりましたが、何一つお役に立てなかったことをお詫びいたします。

 昨年末の第三者調査委員会の報告で三浦九段の疑惑が晴れ、2月13日が復帰戦となります。これから素晴らしい将棋、活躍を見せてくれるものと思います。今後三浦九段の名誉回復、並びに将棋界の信頼回復に努めてまいります。

 今回を機に組織、対局規定など日本将棋連盟を改めて見つめ直し、時代に即して変えるべきところは変え、残すべきところは残す。時間の掛かることもあるかと思います。ただ、数百年の長い歴史、伝統があり、世界でも有数の知能ゲームである将棋の良さは不変です。1人でも多くの皆様に将棋を親しんでいただけますよう邁進していきたいと思います。

 2月1日よりインターネットTV局「AbemaTV」が開局し、同日に行われましたA級順位戦8回戦一斉対局のライブ中継は非常に大きな反響がありました。また、3月には大人気将棋アニメ「3月のライオン」の映画が全国ロードショー。将棋を知らないファン層へのアピールにもありがたいことと思います。昨年史上最年少で棋士となった藤井聡太四段の対局も注目されるところです。

 タイトル戦をはじめとする公式戦・女流棋戦、コンピューターとの対決、将棋コンテンツの充実、普及イベント等でのファンの皆様との交流など、より新しいアイデアを盛り込みながら棋士一同、全力で戦い、臨みます。これからも将棋界に変わらぬご声援をよろしくお願い致します。

photo 日本将棋連盟のWebサイトより

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