「デイリーポータルZ」、ノジマ傘下でどうなる? どうする? 編集長・林雄司さんに聞く(4/5 ページ)
――記事が受けるかどうか、PVが稼げるかも気にするんですか?
毎回考えます。サイトとして、会社に数字を自慢したいので、あまりに受けない記事が続くと、「誰か受けそうな記事書いて」って言いますね。会社が俺を雇っている理由は、サイトが人気あるっていうことなので、それを保つためには、数字もある程度確保しておかないといけないので。
――保身ですね。
保身ですね。
保身といえば、東日本大震災の後に「僕らにできることは、サイトを更新し続けることしかないので、更新を続けます」って書いたことがたまにほめられるんですけど、あれも保身で。ほかサイトは1週間ぐらい休んだりしてたんですけど、休んだら、会社が「デイリーなくてもいいじゃん」って気づくかもしれない、それはいかんいかんと思って、保身でああ書きました。
でも、後で、「読んでいる人の中に被災した人がいた」と気づいて、それは大変だったなって。読者の方も、不幸になったり、被害にあったりしているんだなと。保身だけ考えてたのはよくないと思いましたね。
――ともかく、親会社が変わっても、デイリーは変わらないんですね。安心しました。
そもそも、ニフティの親会社が富士通だった時から、富士通の影響はそんなに受けてなくて。富士通から言われてやる仕事はなかったので、親会社が変わっても、関係ないっちゃないですよね。
親会社がノジマになって、そんなに変わらないと思うんですけど。オフィスもそのままで、社内の事業もとりあえずは全部継続されるらしいです。ただ、文化が少し違うのかなと、気になりますけどね。ノジマ側もすごく気を遣ってるんじゃないかなと。ニフティのカラーを壊さないようにと。
――親会社が変わると決まった日、ITmedia NEWSの取材に対してニフティの広報が「デイリーポータルZも基本的にそのまま残したい」とコメントしていましたが、このコメントは林さんに相談なく出たそうで、林さんは、「デイリーポータルは会社のものだと感じた」と、ちょっと怒っていらっしゃったようですね。
全然僕、聞いてなかったんですよ。広報から確認がなかったので。でもちゃんと和解しました。「勝手にコメント出してすみません」って。僕も「一言言ってほしかったけど、いいです」と。そこは、わだかまりなく。
勘違いしてたんですけど、デイリーって会社のものなんですよね(笑)。会社員として雇われてて、会社で作ってる物なので、会社の物ですよね。「なんで俺に聞かないんだよ?」っていうのも、勘違いした発言ですよね。うん、勘違いしているなとは思ったんですよ。ただ、一言言ってほしいなというのは、ちゃんと言いました。
――「デイリーポータルを会社でやってる」感じは、あまり持っていないんですか?
はい。「俺のもの」みたいな。編集権は編集部にあるので、僕はディレクションの権利を持っている。でも、プロデューサーは会社で。そこを勘違いしてたなと。ずっとこの仕事してるからかな。ずっと、1日の仕事が全部このサイトのことなので。
自分で創刊して、14年間ずっと編集長やってるからかな。公私混同が激しいんですよね。ワークライフバランスのライフはないですね。ほぼワーク。自腹でアメリカに行っても、そこで記事3本ぐらい書いてるし。
――デイリーポータルそのものの存在が、会社の中でのオルタナティブですよね。普通の会社で、もうからない変わったサイトはなかなか存続できない。
そうですよね。ニフティってもともとパソコン通信の会社で。「電車フォーラム」とか「鉄道フォーラム」とかを通じて、ちょっと困った人たちに場を与えてしまった会社なので。デイリーみたいなのを認めざるをえないところがあるんじゃないかなと思うんですよね。
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