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流通テック

物流ラストワンマイル問題とAmazon Prime Now音声連動backspace_news

» 2017年03月27日 13時24分 公開
[松尾公也ITmedia]

 ポッドキャスト番組backspace.fmと連動するニュースまとめ連載「backspace_news」。久しぶりとなる2回目は、ラストワンマイル問題について。

 今話題になっているラストワンマイルというのは、Amazonをはじめとするオンラインショッピングの、配送拠点から配送先までの最後の1マイル(約1.6キロ)のこと。家に届けるまでの物流の終端だ。

 backspace.fmに加わった新メンバー、田辺要平さんとスタートしたT-side(Tokyo side)の第1回として問題を取り上げて語っている。田辺さんは渋谷区在住で、都心でスタートする先進的サービスをいち早く享受できるので、その体験談も貴重だ。下のSoundcloudからそのまま再生できるほか、iPhoneやAndroidのポッドキャストアプリで「backspace.fm」を検索してアプリで聞くことも可能だ。

 このポッドキャストが録音されたのは3月初旬、Amazonを中心としたオンラインショッピングの配送における主力であるヤマト運輸が、宅配の件数急増、さらに再配達の増加で減益となり、物流が危機に瀕していると報じられていた頃だ。

 ヤマト運輸はその後3月17日、再配達受け付けの締め切り時刻を4月24日から早めると発表した

 このポッドキャストでは、日米におけるAmazonの取り組みに加え、楽天やヨドバシドットコムなどライバルECの動きを追い、ドローンやロボットによる配送、一見万引きのように思えるAmazonの新店舗は解決策になりうるのかなど、物流のラストワンマイル問題を話し合った。

 ITmedia NEWSではドライバーやってみた記事が掲載されているが、レストランの料理宅配を代行してくれるUberEATSの利用者目線での評価も田辺さんが語っており、「サザエさんの三河屋さん for the rest of us」みたいなものと評価している。しかし、料理が保温に向いておらず冷え切ってしまうなど、そのサービス内容にはいくつか不満もあるようだ。

 Amazonは米国で2014年から、日本でも2015年からAmazon Prime Nowというサービスを開始。限定された商品であれば1時間以内890円で、2時間以上であれば無料で配送してくれるサービスだ。合計金額2500円以上。Amazonプライム加入者で、東京や神奈川、千葉、大阪、兵庫の一部地域が対象。

 我が家も昨年11月から対象区域となり、Amazon Prime Nowが利用できるようになった。そして、今朝初めて使ってみた。

 初回注文時には5000円以上の買い物で2000円分のクーポンが使える。さらにいいのは、自宅の置き配が指定できること。注文時に玄関に置いてくれとか指定すれば、宅配ボックスがなくても大丈夫。

 今回使うことにしたのは、背骨が折れたから。背骨の圧迫骨折で歩行に痛みが伴うようになり、家からコンビニまでもギリギリくらい。今日はさらに雨。ベッドの中でiPhoneのPrime Nowアプリをダウンロードし、しばらく生きていけるだけの食料を6時すぎに発注した。指定できる時間帯の最速は8時から10時までの2時間枠。

photo 外出できない時の食料調達に使った

 アプリでは届ける途中の配送員の現在位置を地図を見ることができる。チェックすると、中野あたりから自宅の石神井公園に向かったことがわかる。自社で確保している配送員なので、こういうところまで把握できるわけだ。

 10時ちょい前、ピンポーン。Amazon Prime Nowのウインドブレーカーを着た配送担当の人がやってきた。配送車もAmazonロゴ入り。感謝して朝ごはんをいただく。

photo 家に届いたAmazon Prime Nowの包装

 これはいいラストワンマイルだった、いや、中野からの距離を考えるとラストシックスマイルズか。

 保存食だけでなく生鮮食料や薬とかも扱い始めるとスーパー、ドラッグストア、コンビニエンスストアの強力なライバルとなることは確実。ネットスーパーなどの中途半端なECは改革を迫られるだろう。

 ラストワンマイルを自社でまかなうようになったAmazonは実に無敵で、すでにそこにいるのだ。

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