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あらゆる物体にスプレーするだけでタッチパッド化 米カーネギーメロン大が開発

» 2017年05月10日 18時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 米カーネギーメロン大学(ペンシルベニア州ピッツバーグ)はこのほど、スプレー塗料を吹きかけた物体がタッチパッドのような入力装置として利用できるようになるセンシング技術「Electrick」を開発したと発表した。スマートフォンの背面や自動車のハンドル、3Dプリンタで出力した物体など、対象となる物体の形状を問わず、さまざまな面でタッチ操作を検出できるという。

photo 雪だるまの鼻に触れたことを検出

 同大の次世代インタフェース研究グループ「Future Interfaces Group」が開発。カーボンなどが含まれる導電性のスプレー塗料を吹き付けた面の端に、電流が流れる複数の電極を対になるように取り付け、指が触れた部分の微弱な電圧変化を検出することで、タッチ操作を認識する仕組み。

photo 複雑なゲームコントローラーも3Dプリンタで低コストに製作可能という
photo スマートフォンの背面に塗料を塗布することで、持ち方を検出。片手持ちと両手持ちでそれぞれ適したアプリを起動するといった使い方も想定
photophoto ハンドルの持ち方やスワイプ(なぞる)操作を検出できる(写真=左)。あらゆる場所、モノにボタンを追加できる(写真=右)

 10センチ以上の間隔が空いていれば複数の指が触れたことを検出できるため、将来は2本以上のタッチ検出(マルチタッチ)にも対応可能という。

 同大が公開した動画では、スマートフォンの裏面や側面に塗料を吹き付け、持ち方(片手、両手)を検出して適したアプリを起動したり、自動車のハンドルで左右に指をなぞる操作を検出したりするデモが紹介されている。

 ただし、導電性塗料がアンテナのように機能することで、蛍光灯や電源ケーブルなどの付近では電磁ノイズの影響で検出精度が低くなる可能性もあるという。

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