VR(仮想現実)空間で牛になり、乳を搾られる感覚を疑似体験できる「MilkingVR」が、闘会議2017(千葉・幕張メッセ、2月11〜12日)に登場。これまで歩んできた人生で、特に乳を搾られたことはない“牛・未経験”の記者が実際に体験してみた。
まずは電流で触感を与える電気刺激デバイス「Unlimited hand」をお腹に装着。電気刺激を与えることで“人に乳をしぼられている感覚”を再現するという。
東大発ベンチャーのH2L(東京都千代田区)が開発したUnlimited handは本来、腕に巻き付けて使う触覚型ゲームコントローラーだ。内蔵されたモーションセンサーと筋変位センサーによって、手の動きをゲームに入力したり、電気刺激でゲーム内の触覚を疑似的に再現できるという。
「VRと牛、触覚型ゲームコントローラー」──普通の発想であれば、「乳しぼりの触覚が体験ができるVRコンテンツ」を思い付くだろう。ところがMilkingVRを製作した「ゆるUnity電子工作部」のメンバーは「ただ単に腕に巻き付けるのは面白くない」という理由から、お腹にコントローラーを巻き付ける「乳しぼられ体験」のコンテンツを考案。実際に作ってしまった。
記者がUnlimited handとVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して四つん這いになると、牛視点のコンテンツがスタート。お腹には一定のペースで刺激が……結構痛い。もちろん、動物学的な観点から正確な触感を再現したものではなく、あくまで映像と刺激で感覚を疑似的に味わうものだが、なんとなく牛の気持ちが分かる気がしてきた。
「後ろです」──スタッフに言われるがまま後ろに振り向くと、そこには牛の乳を搾る女の子の姿が見えた。今このとき、自分は完全に牛になった。牛として乳を搾られている。
自分でアクションを起こすといったゲーム性は特に用意されていないが、「ひたすら女の子に乳を搾られる」という貴重な体験がVR空間で味わえる。非常にユニークな取り組みだが、教育の現場で食育に活用するといったことも見込める──かもしれない。
会場にいた、ゆるUnity電子工作部の尾作慶一さんは、「VRは見るだけでなく、触覚などの体験も重要になってくる」と話す。MilkingVRは現在も開発中で、進捗状況は50%ほど。今後はキャラクターのデザインやボイス収録に取り掛かるという。
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