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Airbnb、難民への無料宿泊提供プログラム立ち上げ

» 2017年06月08日 13時41分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米民泊仲介サービスのAirbnbは6月7日(現地時間)、世界中の難民に無料で部屋を提供するホストコミュニティ「Open Homes Platform」を立ち上げたと発表した。日本からも参加手続きが可能だ。

 コミュニティに参加すると、国際救済委員会(IRC)などの支援団体が部屋の提供者と宿泊希望者のマッチングを行い、すり合わせが成立すれば実際に受け入れるという流れ。

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 受け入れ期間は1泊から指定できるが、相手の出身、性別、宗教の指定は(当然ながら)できない。紛争や宗教的な迫害による難民だけでなく、経済破綻や気候変動によって住むところを失った人も難民とみなす。

 このプログラム立ち上げのきっかけは、2012年にハリケーン・サンディが米東海岸を襲った際、ニューヨーク在住のホストが無料での宿泊提供を申し出たことという。すぐに無料提供のための緊急災害支援プログラムを開発し、その後65以上の災害などでその都度避難所を提供してきた。

 このプログラムを実施する中で、災害発生の都度プログラムを発動するのではなく、プロアクティブなコミュニティの立ち上げを決定した。同社は2月、「今後5年間で、住む場所を失った人たち10万人に短期宿泊施設を提供すること」を目指すキャンペーンを打ち出し、受け入れを呼び掛け、今回Webサイト「airbnb.com/welcome」を立ち上げた。

 何らかの理由で難民となった人は2016年に世界で6500万人以上で、第2次世界大戦以来の人道的危機だとしている。

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 向う5年間に10万人に宿泊施設を提供するという目標はかなり野心的だが、コミュニティで力を合わせれば実現可能だと自信を持っていると、ジョー・ゲビアCPO(最高プロダクト責任者)は語った。「コミュニティに対して、他者を助けるために門戸と心を開いて欲しいと頼むたび、皆さんは期待以上のことをしてくれてきた。皆さんの心の広さには頭が下がる」(ゲビア氏)。

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