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2017年06月09日 15時40分 UPDATE

手描きスケッチや画像から「古典籍画像」を検索するシステム NIIらが開発

深層学習などのAI関連技術を用いて開発した。

[太田智美,ITmedia]

 国立情報学研究所(NII)と国文学研究資料館の共同研究チームは6月8日、手描きスケッチや画像から古典籍画像を検索できるシステムを開発したと発表した。検索窓に手描きでスケッチすると、似ている形状を含んだ古典籍画像をデータベースから検索できる。検索にかかる時間は1ミリ秒以下という。


古典籍画像を検索できるシステム

 古典籍画像とは、古い書物の中で特に内容・形態共に優れている書籍の画像のこと。例えば今回のデータベースにも含まれる「絵本和歌浦」(1734年)などの画像を指す。

 検索システムには、深層学習などの人工知能(AI)関連技術を活用。画像検索では、元の画像に写っている人の顔や画像全体の色彩、着ている衣類の色、周りに映っているもの(景色など)といった情報を基に、似ている古典籍画像を探せる。


古典籍画像を検索できるシステム

古典籍画像を検索できるシステム

古典籍画像を検索できるシステム

 手描きスケッチ検索では、スケッチから深層特徴量(画像情報を表現する高次元のベクトル)を抽出し、同じような深層特徴量を持つ古典籍画像をリアルタイムに検索する。検索結果の画像を検索窓にドラッグ&ドロップし、再検索することも可能だ。

 検索対象は「絵本和歌浦」「絵本時世粧」「絵本姫小松」「絵本玉かつら」「十二類絵巻」「絵本徒然草」の古典籍6冊を含む178枚(1309領域)。研究チームは今後、同システムをWebブラウザ向けアプリとして提供する予定。

 さらに、元画像内の領域を指定して検索する機能や、画像内容に合わせた検索機能(例:平安時代の絵巻物の中から「光源氏を後ろから見つめる葵の上」の構図を持つ絵を探す、天保時代の人々の生活を描いた画集の中から「男女が共に稲作に従事している姿」を探す、など)も実装する予定。将来は、国内外の美術館に収蔵された古典籍画像の横断検索を実現したいとしている。


古典籍画像を検索できるシステム

 同システムは、「国立情報学研究所 オープンハウス2017」(6月9〜10日、東京・学術総合センター)でデモンストレーションを予定している。

太田智美

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