Adobe Systemsは11月2日(米国時間)、同社が主催するイベント「Adobe MAX」(米カリフォルニア州サンディエゴ)でAdobeのコンテンツやデータを利用した人工知能(AI)「Adobe Sensei」を発表した。「Adobe Sensei」は日本語の「先生」が由来。そのネーミングについて関係者に詳しい話を聞いた。
「先生」は、米国で「恩師」「学ぶ人」「ある場所で教育を受ける」「社会的知識を持っている人」という意味。日本語の「先生」より少し高度な印象を受ける言葉だという。
Adobe Senseiによってできる具体例は、ディープラーニングを使った画像検索やタグ付け、顔認識を活用した加工(画像から人の眉、口、目などの位置を把握し、表情を変化させる)、画像領域で建物などのラベル付け、自然言語処理(デジタル文書のテキスト認識、トピックのモデリング、センチメント分析)など、クリエイティブだけでなく、デジタル文書やマーケティングの領域にまで及ぶ。ビジョンは「このAIによって、学んだことをいかにデリバーして(生み出して)いくか」というところにあるという。
「Adobe Sensei」のAI的手法は今に始まったことではない。「Adobe Magic」の言葉に象徴されるように、マジックのようなツールを提供するということは、もう何年も前からやってきたこと。「でもそれは魔法でなく、技術者たちによる根拠が存在した。Adobe Senseiはそうしたことから生まれたシステムだ」(アドビ システムズ Creative Cloudプロダクト マーケティング&コミュニティ担当 バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのマーラ・シャーマさん)。
ところで、どこかで聞き覚えのある「Adobe Sensei」というネーミング。これについて、筆者は質問した――「『Adobe先生』が発表されましたが、日本には『Google先生』という言葉があります。これは、分からないことやできないことがある人に対して使う言葉で、『(分からないことは)Google先生に聞いてみたらいいよ!』などの使い方をします。『Adobe先生』はそれと関係があるのですか?」。
この質問への回答はNO。あの「グーグル先生」とは全く関係ないそうだ。
(太田智美)
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