ITmedia NEWS >
ニュース
2017年06月15日 23時42分 UPDATE

マストドンつまみ食い日記:ピクシブの音楽インスタンス「Pawoo Music」を体験してみた

音楽創作関連のインスタンスは既にある。そこにピクシブが乗り込む理由とはなんだろうと思って、入ってみた。

[松尾公也,ITmedia]

 今日(6月15日)はマストドン(Mastodon)のバージョンが1.4.2、1.4.3と2ノッチも上がったのでそのことを書こう思っていたのだが、ピクシブが大きく動いたので話題をそちらにチェンジ。1.4.2はカラムをピン留めできて画面の右側をやっと有効活用できるという、マストドンのUI的には革命的なことが起きたのだが、バグのせいで1.4.3のホットフィックスが出てしょぼんとなったのだった(mstdn.jpでは導入済み)。

 6月15日18時頃にリリースされた「Pawoo Music」は、「絵師のためのサービス」と思っていたピクシブが、音楽の、しかも音楽創作の場まで提供しようと作ったインスタンス。これは体験しないわけにはいかんだろうということで、すぐにアカウントを作り、潜入捜査してみた。

 Pawoo Musicでできること、というか、Pawoo Musicにしかできないことは基本的に2つ。音楽を投稿することと、YouTubeなどの楽曲のURLを貼って、みんなで同時に聴くことだ。投稿するのはミュージシャン、聴くのはリスナーというわけ。

 先行している音楽創作インスタンスであるボカロドンの管理人TOMOKI++さんがマストドン会議3で話していた、「22時から自己紹介タイムにする」というアイデアをリスペクトしつつ、21時から22時にずらしてハッシュタグにするといった、運営面での工夫もされている。サポートの動きも早く、ローカルタイムラインに流れるユーザーの不満や操作への戸惑いにもきめ細かくサポートしている。

 Pawooには、もともと音楽クリエイターに向いている機能が2つあった。メディアタイムラインと固定トゥート機能だ。メディアタイムラインで楽曲の再生を1つのカラムに並べて再生していくことができれば、露出の機会は増えるし、YouTubeやニコニコ動画ではただ投稿することしかできず、ソーシャルから引き込む手段が持てなかったミュージシャンたちも、Twitter以外の動線を持てる。固定トゥートは、自分の過去の投稿を最上位に固定できる、Twitterでよく使われている機能に近いが、Pawooは複数固定ができる。つまり、自分の作品ポートフォリオとして使えるのだ。

 これまでその機能は絵師のために使われていたが、Pawoo Musicの登場で、ボカロPやインディーミュージシャンも使えるようになる。

 メディアタイムラインでは、投稿された楽曲の再生がまとまって表示されるので便利。1.4.2以降ならばピン留めで固定できるので、さらに便利になるはずだ。Pawoo Musicは1.4.1なのでまだそれは使えない。

 音楽を投稿する機能があるので自作の曲で試してみた。マストドンの投稿画面の左下にあるカメラアイコンの右に、音符アイコンが追加されている。そこをクリックして投稿できるフォーマットは現在のところMP3のみ。MP3ファイルを投稿すると、楽曲のタイトル、投稿者名を記入し、サムネール画像をさらに投稿するよう促される。

photo 投稿時の画面
photo 別のサムネに変えて投稿してみた

 JASRACなどの著作権管理団体とは提携していないので、投稿できるのは基本的にオリジナル曲かパブリックドメインの曲のみだ。投稿した楽曲は、このようにその場で再生できる

 ピクシブが楽曲の投稿機能を実装したということは、そのソースが公開されるということでもある。だから、他のインスタンスでも同様のことができるはずだが、著作権の管理やストレージの問題などで、そこに踏み込むのはなかなか難しいだろう。既にJASRACなどと提携しているドワンゴならば、friends.nicoなり新しいインスタンスなりで実装できるだろう。既に進めているのかもしれないが。

 創作とは直接関係ないが、画面下部にあるDECKという、外部の音楽や投稿された楽曲を再生する、ニコニコ動画のNsenに近い機能が、リスナー向けに人気だ。今はYouTubeの楽曲をみんなでワイワイ聴くのに使われているが、インスタンス内のミュージシャンが投稿したものをみんなで楽しむようになるといいなあ、とこれからのコミュニティーの進化に期待している。

 今はミュージシャンとリスナーがちょっと離れている感じがあって、作り手が投稿する音楽を聞かずにプロの、他でも聞けるだろう音楽を勝手に聞いている感があってちょっともったいない。

 でも、未来は明るいと思うのだ。

 Pawoo Musicサポートの人は今日かなりたまったであろう要望を取りまとめてフィードバックすると言っているし、その開発力に物を言わせて、ミュージシャンとリスナーを結びつける新しい創造の場を作り出せるんじゃないかと思う。

 そして、SoundCloudにギター弾き語りを投稿しているオイゲン・ロチコさんがここにも投稿するようになると面白いなあ。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.