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マストドン会議2レポートその3 テキスト全文検索に挑むPawooマストドンつまみ食い日記

» 2017年05月21日 15時40分 公開
[松尾公也ITmedia]

 5月17日に開催された「マストドン会議2」のレポートも3回目。太田記者の懇親会レポートも入れると4回目だ。

 パネルディスカッションが終わって質疑応答の時間になり、司会の遠藤諭さんからどうですかと振られたのでちょうど用意していた質問をピクシブにぶつけた。テキスト検索についてだ。

photo 盛り上がったパネルディスカッション

 マストドンにおいては、ハッシュタグ検索、ユーザー検索はできるのだが、#がついていないテキストを検索する機能はない。豊富な検索API、検索フォームがありリアルタイム検索においてはGoogleの一部を置き換えるほどになっているTwitterに大きく後れをとっている部分だ。

 現在のところ、日本のマストドン検索ポータルによる横断検索、アプリのTootdonが独自に用意している横断検索の2つが稼働している。clerilistも停止した。テキスト検索がマストドンに標準で追加されれば便利になるのは間違いない。

 テキスト検索について、作者のオイゲン・ロッコさんは次のように述べている

もしもテキスト検索が実装されるとすれば、自分のホームタイムラインとメンションに限定すべきだ。コンテンツ全般にわたるフルテキスト検索がないのは意図的なもの。他のネットワークにネガティブなソーシャルダイナミクスを与えかねないからだ。

Googleが公開ページをインデックスするのを止めることはできないが、「可能である」ことと「便利である」ことは違う。キーワードで検索「されたい」と思うのなら、それはすでにハッシュタグで可能だ。

 robots.txtを使えばGoogleなど検索エンジンによるインデックス化を防ぐことができるとのコメントに対しては、「でも無視することもできるよね」とオイゲンさんは指摘する。

 そのテキスト検索にピクシブが乗り出すという情報が入ってきた。

photo

 実験的な機能開発ということだが、全文検索機能を実装するためのチームが割り当てられているという。

 あれば便利だが、オイゲンさんの意向とは違ってくるかもしれない。そんなテキスト全文検索について、ピクシブはどう取り組むつもりなのか聞いた。

 Pawooのプロダクト・マネージャーである清水智雄(norio)さんは、オイゲンさんの発言は認識した上でこう答える:

Pawooやマストドンにログインし続けられる人ばかりではない。何か盛り上がったりしたところを後で追いかけて楽しむのをサポートするには全文検索を入れないと。誰もがハッシュタグをつけてトゥートしてくれるわけではない。

そういう問題を解決するためにも全文検索は必要。今こうしてしゃべっていることへの反応も追いかけられない。自分の名前をマストドンで検索しても、ハッシュタグをつけてくれていないと確認できない。いろんなユーザーさんがいろんな楽しみ方をするためにもテキスト検索は必要な機能なんじゃないか。

オイゲンさんの考えとはずれるけれども、インスタンスとしてこういうポリシーで差別化してやっていくということでいいんじゃないか。

 現在あるマストドン横断検索サイトは安定した状態ではなく、まる1日使えないこともあった。Pawooにとどまらずやってもらえる可能性は?

そういうことが発展的にできるんだったら挑戦したい。全文検索はやろうと思えば誰でもできてしまうので、ぼくらがやらなかったとしても誰かがやる。もしその機能をユーザーが求めているのであれば、より近いところで使えるということを実現するのはPawooとしても合っている。まずはPawooとしてやってみる。

 まずはPawooに全文検索を実装し、それ以外はニーズに応じて、ということのようだ。

 横断検索機能を内蔵したiPhoneアプリ「Tootdon」のテキスト検索を使い「全文検索」でサーチしてみたら、新たなマストドン横断検索サイトが見つかった。「tootsearch」というサイトで、AmazonのElasticsearch ServiceとKinesis Firehoseを使っている。対象なるインスタンスは限定的だがスコア順、時系列順、ブースト数順、お気に入り数順で並べ替えが可能なのが便利。

photo tootsearch

 マストドンのテキスト検索は、いずれYahoo!リアルタイム検索に機能追加されると個人的に予想してるのだが、Pawooに限らずいろいろと動きはありそうだ。

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