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「さくらの夕べ マストドン テクノロジーナイト」に行ってきたマストドンつまみ食い日記

» 2017年06月28日 23時19分 公開
[松尾公也ITmedia]

 6月28日に新宿で開催されたセミナー「さくらの夕べ マストドン テクノロジーナイト」に参加した。場所を間違えた(住友不動産西新宿ビルだと思って行ったら住友不動産西新宿ビル4号館だった)せいで大幅に遅刻してしまい途中からの参加だったのだが、「インスタンスを立てる人はみんな行って損はない」と思った。実体験した失敗から得られた対応策がいくつも出てくるのだ。

 エバンジェリストの横田真俊さんによる「さくらインターネットとマストドン」という概論については遅刻のせいで見ることができなかったのだが、マストドンインスタンスにおける日本の比率(6割)や、さくらインターネットの比率(27%)について話したという。

 次に「マストドンが簡単にインストールできるスタートアップスクリプトについて」について、実際にこのスクリプトを書いた、技術本部 ミドルウェアグループの根本昌季さんが解説。なぜサブドメインでのインスタンスをサポートしていないかの謎が明かされた。サーバ再起動後にはメディアファイル拒否を有効にして、リモートの画像が自分のサーバを圧迫しない設定にしておくとディスク容量やI/Oを節約できるというTipsも披露。

photo 根本さん(手前)と芦野さん(奥)

 続いて、自作サーバマニアを自称する、技術本部 アプリケーショングループ 芦野光さんが、hokutodonを例に、自宅サーバで構築・運用するときのポイントを解説。hokutodonはライターのヨッピーさんが立てた世紀末インスタンスだが、これは芦野さんが現場で対応していたのだ

 大きな話題を集めたせいでメールサーバの送信上限に引っかかって新規登録者をさばけず、管理画面から横田さんと2人がかりで手作業で承認したというエピソードが涙を誘う。上限はちゃんと確認しておくこと。これは、筆者が関わるグルドンでも起きたことで、引っかかるポイントの1つ。

 そして停止する時の処理。hokutodonの停止が大量のトラフィックを招いたことが一時大きな話題となったが、その経緯も語られた。対応策としては、しばらくの間404エラーを返す処理をしておくということ。

 最後は「Docker ComposeでMastodonが必要なものを梱包する話」のテーマで、エバンジェリストの前佛雅人さんが、マストドンというよりは、DockerとDocker Composeの仕組みをメインに解説していた。これでマストドンのインストールが楽になるかもしれない。

photo 前佛さん

 今回のセミナー内容は、必ずしもさくらインターネットを使ってほしいという話ではなく(自宅サーバを立てたとしても、さくらの得にはならない)、いろいろな方法でマストドンインスタンスを構築するためのTipsが解説されていた。

 大阪に本社を持つ同社は日本の各地でセミナーを開いているので、インスタンスを立てたいと思っている人は機会があったら参加してみてはどうだろう。

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