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巨大「カブトムシ」型ロボットに搭乗してきた 製作に11年、たった一人でロボカップ2017名古屋世界大会

» 2017年07月31日 21時33分 公開
[太田智美ITmedia]

 カブトムシ型巨大ロボット「カブトム RX-03」が、7月27〜30日に開催された「ロボカップ2017 名古屋世界大会」に展示された。カブトム RX-03は、9.5(幅)×11(奥行き)×3.6(高さ)メートルの巨大ロボット。重量は約17トンもあるという。

 実はこのロボット、高橋均(ひとし)さんが1997年から計画を練り、約11年かけて設計からデザインまで1人で作り上げたもの。仕事ではなく、趣味で作ったそうだ。


カブトムシ型巨大ロボット「カブトム RX-03」 カブトムシ型巨大ロボット「カブトム RX-03」

カブトムシ型巨大ロボット「カブトム RX-03」 カブトム RX-03の足

 時速約4キロで歩く六足歩行ロボットだが、動くのはそれだけではない。ツノは上下に、触覚は左右に動き、ハネは開閉、全31カ所が動く。外部からリモコン操作できるほか、カブトム RX-03の後部にあるコックピットで操縦することも可能だ。ツノのつけ根にはスモーク噴射口が設置されており、小型コックピットの中にあるボタンを押すと勢いよく煙を噴射する。


今回の展示では、中学生以下を対象に操作体験が行われたが、特別に操縦させてもらえた。操縦席にあるレバーを操作すると、「ぐわんぐわん」という音と共に動く(撮影協力:ロボスタ

 中には乗員室があり、大人が6人が乗れる。さらに、乗員室に掛けられたはしごを上ると展望指令台が。ここからの眺めがすごい。


カブトムシ型巨大ロボット「カブトム RX-03」 乗員室

カブトムシ型巨大ロボット「カブトム RX-03」 展望指令台からの眺め

カブトムシ型巨大ロボット「カブトム RX-03」 展望指令台から撮影する筆者(撮影協力:ロボスタ

「カブトム RX-03」の内部に潜入

 高橋さんは言う――「子どものころ描いていた夢をずーっと思い続けていた。大人になって、やっと環境が整った。だから、その夢の実現のために作った。大好きな『カブトムシ』と『ロボット』、2つの夢を合体させたらこうなりました」。


カブトムシ型巨大ロボット「カブトム RX-03」 「カブトム RX-03」開発者の高橋均さん

 カブトム RX-03は3体目の機体。最初の機体は3〜4分の1の大きさで、軽自動車に足が付いたくらいの小さなものだったという。

 「1号機が完成したとき、あまりにもすばらしかったので、うれしくて、もっと大きかったら感動ももっとすごいだろうなと思った。だから、それを壊して、2号機を作った。2号機は、1号機と3号機のちょうど間くらいの大きさ。2号機の完成を目にしたときも、やっぱりすごいなと思って、もっと大きければもっと夢も大きくなるだろうと思い、3号機を作った。そして最終系としてこの大きさのロボットが出来上がった」(高橋さん)

 この巨大なロボットがどうやってここ名古屋まで来たかというと、分解してトラック数台に乗せ、茨城県からはるばる運ばれてきたのだという。組み立ては約7時間。このイベントのために、奥さんとたった2人で組み立てたそうだ。

太田智美

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