ICチップを搭載し、ハイスペックな個人証明ができることから、このカードを活用させ、マイナンバーカードの普及を狙いたいという行政のもくろみはなんとなく理解できます。
しかしそのカードには、誰もが見ることができる形でマイナンバーが記載されています。実はこのカード、行政手続き以外でマイナンバー記載の裏面をコピーすることは禁止されています。身分証明書を取り扱う人全てが、このことを理解しているとはあまり思えません。そのことを考えると、やはりマイナンバーカードを身分証明書として活用し、普段から持ち歩くことはお勧めできません(内閣府の参考サイト)。
マイナンバーカードを作ると、この番号部分だけをマスクするビニールケースに入れられて交付されるのですが、左下にあるQRコードを読み取るとマイナンバーそのものが入っていることが分かります。QRコードはマスクされていないので、取り扱いには注意してください。
実際のところ、マイナンバーが漏えいし、誰かが私の番号を知ったとしても、悪用できることは少ないでしょう。しかし、マイナンバーを鍵として、さまざまな場所にある個人情報が1つに結びついてしまうことが考えられます。そのため、やはりマイナンバーはむやみやたらに知られることのないように、厳重に管理すべきでしょう。
そうなると、マイナンバーを記載した「マイナンバーカード」も厳重に管理すべきです。現在、このマイナンバーカードを何とかして普及させるため、さまざまな活用方法が検討されています。
しかし、厳重な管理が必要なものだけに、企業もなかなか手を出しにくいものであるようです。普通自動車免許を持っていない方ですと、身分証明書としても大変便利なものではあるのですが、個人的にはなるべく持ち歩かず、大事に保管すべきものではないかと思っています。
おそらく、国民にとってより分かりやすいメリットがなければ、わざわざマイナンバーカードの交付を受けようという「物好き」は少数かと思います。私自身はe-Taxのために喜々として交付を受けましたが、まだまだ普通の人にはお勧めできない「デジタルガジェット」です。
そのe-Taxも、財務省による行政手続コスト削減施策の1つとして、19年をめどにマイナンバーカード/ICカードリーダーなしでも利用できるようになる予定です。普及への道はさらに遠くなりそうですね……。
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