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2017年08月10日 07時00分 UPDATE

ITりてらしぃのすゝめ:「マイナンバーカード」がなかなか普及しない理由 (1/3)

マイナンバーとマイナンバーカードの違い、分かりますか? それぞれ何ができるのか解説します。

[宮田健,ITmedia]

 2016年1月1日、「マイナンバー」制度がスタートしました。15年10月ごろから皆さまの自宅にも「マイナンバー通知カード」が到着しているはずで、もしかしたらすでに「マイナンバーカード」を取得し、e-Taxやコンビニでの各種交付書類で活用している方もいるかもしれません。

連載:ITりてらしぃのすゝめ

「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。


 ところで、上記の文に記した「マイナンバー」と「マイナンバー通知カード」、そして「マイナンバーカード」は全部違うモノであるということに気が付きましたでしょうか?

マイナンバーカード 左から通知カードとマイナンバーカード(マイナンバーカード総合サイトより)

 マイナンバーは全ての日本国民に関係するものでありながら、一体何に使うのか、どう扱っていいのかもよく分からないという印象です。

 そのくせ、企業においてはマイナンバーの取り扱いのために新たなセキュリティ対策を必要とされ、個人としても番号を漏らしてはいけないといわれ、面倒なモノができたと感じている人も多いでしょう。

 今回はまず、ニュースを読むために必要な「マイナンバー基礎知識」を付けていきたいと思います。

「マイナンバー」って何? 「マイナンバーカード」と何が違う?

 まず、マイナンバーとは何でしょうか。これは日本国民全てに12桁の「個人番号」を付与し、「国民の利便性の向上」「行政の効率化」「公平・公正な社会の実現」を目指し、まずは社会保障、税、災害対策分野に利用範囲を限定して導入された仕組みです。

 マイナンバーがあることで各種情報を正確に名寄せできるため、社会保障・税関系の申請時に行政の必要書類が削減されたり、所得状況が明らかになることで税金の負担を公平、公正に行えたりというメリットがあります。

 この鍵となるのがマイナンバーです。これは行政が個人へ割り振っているもの。それを国民一人一人に「あなたのマイナンバーはこれですよ」と通知しているのが、15年10月ごろに配布された「マイナンバー通知カード」です。封筒に入った1枚紙なのですが、非常に大事なもの。なくさないようにしなくてはなりません(ずいぶん前のことでしょうから、どこに置いたか不安な方も多いのではないかと想像しますが……)。

 もしお勤めの企業や、契約している証券会社などからマイナンバーの確認を求められた場合は、このマイナンバー通知カードが使えます。しかし、このマイナンバー通知カードはあくまで通知のみの役割しかありません。そのため、この通知カードを身分証明書として利用することはできません。

マイナンバー マイナンバー通知カード(マイナンバーカード総合サイトより)

 本来であれば、通知を受けた国民は市区町村の役所にて、「マイナンバーカード」を発行することになります。マイナンバーカードは、あなたの写真や住所、そしてマイナンバーが記載された身分証明書になるカードであるだけでなく、ICチップ内蔵の多機能カードとして活用できます。このカードを使うと、住民票の取得など行政手続きが少しだけ便利になります。

マイナンバー マイナンバーカードの裏面に12桁のマイナンバー(個人番号)を記載。ICチップも搭載する(マイナンバーカード総合サイトより)

 簡単にまとめると、以下のようになります。

  • マイナンバー:国民一人一人に付与した“12桁の番号”
  • マイナンバーカード…多機能なICチップを搭載し、マイナンバーを記した“多機能カード”
  • マイナンバー通知カード…マイナンバーを記載した単なる“紙”

 どれも似たような名前ですが、内容や用途が異なります。これが、マイナンバーを混乱させる要因の1つでしょう。

 変な話ですが「マイナンバーカードに書かれた、私のマイナンバーの番号」などという不可思議な一文も、間違った表現ではなかったりします。混乱しますね。

私たちにどんなメリットがあるのか

 では、マイナンバーにどのようなメリットがあるのかを見てみましょう。

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