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手持ちの商品現金化「CASH」再開 “質屋”から「中古品買い取り」に

» 2017年08月24日 11時38分 公開
[岡田有花ITmedia]

 ベンチャー企業のバンクは8月24日、手持ちの品をスマートフォンアプリに入力するだけで、その品の査定を受けられ、査定額相当の現金をすぐに受け取れるiOSアプリ「CASH」の提供を再開した。CASHで現金化できる金額の上限(1日1000万円)を設けたほか、商品を送るまでの期間を2カ月から2週間に短縮。商品を送らず返金を受ける際の手数料は無料にした。

 手持ちの商品と引き換えに現金をすぐ受け取れ、手数料を払えば商品を取り戻せるという意味で、「質屋のよう」と評する声もあった同サービスだが、再開した新サービスでは商品送付期間を短縮し、「返金」をメニューから削除。返金手数料を無料にすることで、「中古品買い取りサービス」色をより鮮明にした形だ。

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6月の開始直後にサービス休止

 CASHは、売りたい商品のブランドや状態を選択し、写真を撮影すると、即座に査定金額を提示。金額に承諾するとアプリ内に「キャッシュ」(現金)が振り込まれ、銀行振り込みなどで受け取れるサービス。

 6月28日にスタートしたところ利用が急増し、開始から16時間半で現金化総額は約3億6600万円に上った。運営元のバンクは「利用が処理能力を超えた」とし、29日にサービスを休止していた。

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「返金」機能、メニューから消える

 8月24日に再開したサービスでは、1日当たりに現金化できる金額の上限を設け、アプリ内でリアルタイムに確認できるようにした。まず1日当たり1000万円、月間3億円ほどの枠を用意したという。引き出し可能金額は、当初は1000円からだったが、新アプリでは300円からに引き下げた。現金受取時に必要な手数料(250円)は据え置いた。

 「キャッシュ化」した商品を送る期間は、「2カ月以内」から「2週間以内」に短縮。商品を送らず、現金を返金する場合の手数料は、15%から無料に変更した。アプリのメニューやヘルプから「返金」が消え、「やむを得ない場合のみ、レアケースで使っていただく、“隠し機能”のようにした」と同社の光本勇介CEOは話す。

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 6月のリリース当初、CASHは「質屋のようなアプリ」とも報じられ、返金手数料の「15%」は、「利息ととらえると出資法の上限を大きく超えており、ヤミ金に近いのでは」との批判もあった。光本CEOは「そういったご意見があったから手数料を無料にしたのではない。利用実績をみると、返金した人は2%と圧倒的に少なく、返金機能が使われていないため無料にした」と説明する。

 カメラ機能にも改善を加えた。当初は、カメラで何を撮影しても無条件で「キャッシュ化」されていたが、新アプリでは画像解析機能を備え、選んだ商品のカテゴリーと撮影された写真がかい離している場合は「選んだブランド・カテゴリと写真の内容が異なる可能性がある」とアラートが出るようになった。

 査定額は「二次流通の価格変動や、当社の収益性確保のため」変化しており、6月から上下している品もあるという。当時は「H&Mのヘアゴム(10個199円)を、1個1000円でキャッシュ化した」というユーザーも現れたが、新アプリでは「H&Mのヘアゴム」というカテゴリーは消えている。「収益性が低いものは一時的に査定から排除することもあるが、削除・変更した査定対象商品ごく一部」と光本CEOは話している。

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