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» 2017年09月05日 07時00分 公開

ITは、いま:「Flash」終了、何を思う? あるゲームクリエイターの視点 (3/3)

[片渕陽平,ITmedia]
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稼ぎ頭に変わりはない

 12〜13年ごろ、スマートフォンが本格的に台頭し始めると、グリーやモバゲーのソシャゲもスマホ対応が必要になった。

 10年には、米Appleのスティーブ・ジョブズCEO(当時)が「Flashはクローズドでセキュリティ上の問題も多い」と批判し、iPhoneでの採用をやめるなどしていたが、そんな状況下でも代替手段はあった。Flash Liteをjavascriptに変換し、スマホ上で再生できるようにする「ExGame」というツールだ。

 「Flashは終わりだ」――Flashを使ってWebサイトを制作する業界ではそんな声もあった。だが、ExGameのようなツールが存在し、ソシャゲ業界に“べったり”だったTANAKA Uさんは、ほぼ影響はなかった。需要は健在だった。

 以後、ソシャゲ業界のFlash需要は徐々に減っていったが、いまでもFlashを使う場面はある。キャラの動き、アイテム獲得演出などを検討するとき、Flashでプロトタイプを作る。試作段階では、開発中のゲーム上でリトライを繰り返すより、比較的編集しやすいFlashを使い、修正しながら検討するのが効率がいい。場合によっては、変換ツールを使ってアプリにそのまま実装することもある。

 一方、96年に「Macromedia Flash」として登場したFlash制作ツールは、すでにFlash以外の形式でも出力が可能に。15年には「Adobe Animate」と、Flashを冠しない名前に変わった。

 だからツール自体はいつまでも使える。“Flash”が稼ぎ頭であることは「今も昔も変わらない」。

「マテスナ」再び

 ただ、すでにFlashで制作・公開した艦砲射撃、マテスナなどFlashゲームは、このままだと遊べなくなる。exeファイルでデータを配布し、ユーザーがローカルPCで遊べるようにしようか、それとも――TANAKA Uさんは思案する。

 「マテスナ、更新しないの?」――10年近くたった今も、ユーザーからはそんな要望が届く。実は、未完成ステージ案も、未実装キャラの設定資料も手元にはある。クラウドファンディングで資金を集め、リメーク作「マテリアルスナイパー2」としてリリースする計画も検討している。

 制作したFlashゲームの潮流は、プラットフォームを変え、いまも受け継がれている。

photo リメーク作「マテリアルスナイパー2」の設定資料。イラストはLM7さん(@__LM7__)が担当
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